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映画「ARGO」を観る [映画(あ行)]

やっと香港の蝋人形の館に入ろう、というところなのですが、今日は最近見た映画の話です。
早くしないと公開が終わっちゃうかもしれないし。(^_^.)




ここのところ気分が盛り上がらない日が続いておりましたので(まあ色々ございますよね)
久しぶりに映画館へ足を運びました。

アルゴ.jpg「アルゴ」
こういうポスターを見て若干楽しい雰囲気も想像して行ってみたのですが、

ARGO.jpg 海外のポスターの方が映画の中身に合ってるかも

(映画公式サイト)→http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/




レディースデーに行ったのですが、私を入れて20人くらい。
公開2週目で入りがイマイチなのかしら。
同じ時間に上映開始の「北のカナリア(吉永小百合さん主演)」はシアターも大きく、
ご年配の男性女性がぞろぞろとシアターに入っていく様子を観てちょっとさびしくなりました。。。




あらすじはYAHOO!映画さんより転載。

1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ
その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。
パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。
救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデス(ベン・アフレック)は、
6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。
彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。
しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。



とても丁寧に作られた中身の濃い映画でした。


1997年に公にされるまで極秘事項だった実話ですが、
事件のあったころは私も小学生か中学生くらいでしたので、
カーター大統領とかパーレビ国王とかホメイニ師については存在は知ってはいたものの、
この頃の歴史については詳しくは知らなかったのですが(ダメですね)
この映画で一端だけでも知ることができたのはよかったと思っています。


大使館から逃げてカナダ大使の私邸に匿われていた大使館職員6人を救出する話ですが、
CIAが考えた救出する為に考え出したアイデアが、
自転車に乗って逃げる(国境まで500㌔近くをプロでもない人が漕ぐのはムリ)、
外国人教師を装う(当時イランに外国人教師がいないのでこれもムリ)、という中、
人命救出のエキスパート、ケヴィン(本名はトニー、演じているのがベン・アフレック)が考えたのが
架空の映画製作ロケハンメンバー(カナダ人)に扮して空港から出国するというアイデア。


このアイデアが思い浮かんだのも、別居中の妻と暮らす息子が電話の向こうで見ていたのが、

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この作品で、特殊メイクを担当してアカデミー賞をとったジョン・チェンバースに協力を要請して
承諾してもらいます。(2人が知り合い、ということから実現したんでしょうね)


CIAでは非現実なアイデアと猛反対されますが、真摯な態度で説明を重ね
このプランで救出を実行することに決まります。

ジョン・チェンバースとケヴィンは、変わり者の大物プロデューサーのレスターにも協力を要請し、
ボツになった脚本から掘り起こしたのが、“ARGO”というSF映画。
脚本家から格安で権利を買い取り、映画制作会見を開き、雑誌に宣伝していきます。


ここまで段取りした上で、実際の救出の為、ケヴィンはトルコ経由でイランに入国します。


カナダ大使私邸で6人にプランを説明すると当然のことながら全員に反対されますが、
ケヴィンが自分の命を懸けて自分たちを助けようとしていることを理解した6人は
(一部不満を持っている人もいましたが)ケヴィンのいう通り行動することにします。


ケヴィンの入国を疑った政府は、6人のロケハンメンバーとケヴィンに
たくさん人が集うバザールに来るように指示します。
ケヴィンと6人は(6人にはそれぞれ監督、脚本家などを演じるようにケヴィンが指示します)
政府が言う通りバザールに不安を抱えながら向かい、ちょっとした揉め事は起きるのですが、
無事映画製作が事実であるように政府に思わせます。


その翌日の帰国日。


ロケハンの後、計画を中止するとCIAから連絡を受けたケヴィン、
(軍が6人を救出するので空港からの救出は中止、という連絡を受けます)
指示された通り中止すべきなのか、考えながらも、自分の任務と責任を感じて計画を決行します。


6人とともに大勢の過激派が監視している空港で、チェックイン、出国し搭乗口まで辿り着き、
そこで不審に思われ一旦引きとめられますが、自分たちがカナダ人であること、
映画の内容などを説明し、ジョン・チェンバースとレスターの事務所の存在も確認できたところで
出発ぎりぎりのところで搭乗口を通り、飛行機までのバスに乗り込みます。
(ボーディングブリッジがなかったころなんでしょうか)

同じ頃、6人が大使館から逃げていた6人と判明し、過激派が急いで追いかけるのですが、
車が追いつきそうになったころ、飛行機(スイス航空)は離陸します。。。
離陸して安堵したものの、まだイラン領空を出ていない中、不安が続きますが、
領空を出たことをアナウンスで聞き本当に6人は脱出できたことを実感し喜びます。。


この作戦(ハリウッド作戦という名前)は極秘事項とされた為、
カナダ政府(パスポートを提供したこと、大使がずっと匿っていたこと)の協力が脚光を浴び、
ケヴィンの功績はずっと表には出されなかった為、息子にも言うことができませんでしたが、
別居中の妻とよりを戻してめでたし、、で映画は終わります。




結末が分かっているのですが(うまくいったから映画化されたのでしょうし)、
よい意味での緊張感がずっと最後まで続く映画です。

(最近の作品にアリがちな)途中展開がダレ気味になって飽きることもないですし、
特に、空港での展開などはハラハラしっぱなし。
飛び立った飛行機でもイラン領空を脱するまで安心できない機内の様子など、
ああ、お願い、早く領空を脱して、、、なんて気持ちで見ておりました。

実話を映画化するのは結構難しいような気がしますが、
この作品は脱出劇、というよりは、CIAの一人の男の話、であり、
過剰な演出もなく、素直に見ることができました。


ずっと緊張しながら見ている中、唯一笑えたのが、
特殊メークのジョン・チェンバースを演じるジョン・グッドマン、と、
大物プロデューサー、レスターを演じるアラン・アーキン(リトルミスサンシャインのジイチャン)。
「嘘つきだらけのハリウッドで嘘をつく」と喜んでケヴィンの要請を引き受けるジョンとレスターが
架空の映画製作なのに嬉々として取り組んでいる様子が楽しく描かれていました。
実際、この脚本が映画化されたら意外にB級で面白かったりして、、なんて製作発表会見の場面で
想像したくらいです。(^_^)


CIAから計画中止で映画製作事務所も閉鎖するように2人も連絡を受けるのですが、
閉鎖するのは後でもいいか、とそのまま呑みに行って戻ってきたことが奏功して、
空港で疑われて窮地に立たされる6人とケヴィンをぎりぎりのタイミングで救うことになるのも
観ていてホッとしましたねぇ。。。


本筋と関係ないのですが、唯一「あれ?」と思ったのが、
チューリッヒ行のスイス航空の機材がB747なのに、機内の様子は通路1本で座席が3-3の配列。
2階席なのかな、なんて思いましたが、1階席だと違うかも、なんて思いながら観ました。(^_^.)


ただ、6人が救出されてよかった一方、大使館で人質として囚われていた50余名の方々は
500日近く経ってからやっと解放されたわけですから、精神的には6人よりももっと辛かったろうな、
なんてエンドロールで解放された事実の記述に思ったりしましたが、そこまで言ってしまうと
この作品では描ききれないので、どこを中心に描くか、となれば割愛も仕方なかったんでしょうね。


本編は2時間なので少々長めですが、ずっと展開が気になって観ているので全然気になりません。
ハリウッド映画のアメリカ万歳的なつくりではなく、
「ベン・アフレックすげーじゃん」と監督しての才能に非常に感心した作品ですので、
私と同年代の方には見てほしい良作だと思います。
(若い方が見てどう思われるのか、、、私には想像できませんで。。。。。)

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JLOと付き合っていた時の↑の作品の頃に比べたら今のベン・アフレックは素晴らしい。(笑)


最後のクレジットに家族(奥さんのジェニファー・ガーナーと子供たち)に感謝というメッセージが
映されるのですが、一人の男が家族の絆を取り戻す、、という筋書きがあったからなのかな、
なんて思いましたねぇ。

というわけで、こういう事実があったこと、一人の男の信念でそれが成し遂げられたこと、
素直に受け止めて楽しめる映画「ARGO」でありました。

作品の中で流れる音楽も懐かしくてオススメ!


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