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映画「アリスの恋」を観る [映画(あ行)]

古い映画ですが、スコセッシ作品ということで借りていました。

アリスの恋 特別版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


あらすじはAmazonさんより。

小さい頃から歌手を夢見ながら結局は平凡な主婦に落ち着き、
満たされない毎日を送っていたアリス(エレン・バースティン)。
夫の事故死の知らせが彼女の人生を一変させた。
歌手として人生を出直すことを決意したアリスは、息子のトムと共に故郷モンタレーに向けて出発。
アルバイトで生活費を稼ぎ、モーテル暮らしを続けながらようやくトゥーソンの町にたどり着くと、
とりあえずウェイトレスとして働き始めた。
そんなある日、店の常連客デイビッドに愛を打ち明けられるが・・・・・。



原題は“Alice Doesn't Live Here Anymore” 。

どうやったらこの邦題になるんだか、、相変らず配給会社のセンスに疑問符。(ーー;)


1974年の作品で、女性の自立が叫ばれるようになってきた頃のアメリカの話。


小さい頃、歌手になりたいと夢見ていたアリス(エレン・バースティン)も
今となっては平凡な主婦として荒っぽい夫ということを聞かない息子と3人暮らし。
ある日、夫が仕事中に事故死し、お葬式で預金もなくなってしまったことから
家財を売り、その資金で、故郷のモンタレーに帰ることにします。

とはいえ、ボロ車での移動なので、途中、生活費を稼ぐ為に歌手の仕事を探し、
やっと見つけたバーでの歌手がちょっと上手くいった頃、
客の男(若い頃のハーヴェイ・カイテルで吃驚!)に優しく言い寄られ、
その気になったら、実は家庭持ちの暴力男だったことが分かり、
急いで車で次の土地に向かいます。。。

たどり着いたのはトゥーソン。

トゥーソン、というと、

毎日が日曜日 (新潮文庫)

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  • 作者: 城山 三郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/11
  • メディア: 文庫


この話の舞台となる田舎の町、、、というのを思い出します。


田舎町で歌手の仕事はなく、ダイナーのウェイトレスの仕事を見つけます。

慣れない仕事に苦戦しながらも、口の悪い先輩ウェイトレス(ダイアン・ラッド)のお陰で
仕事に慣れ、離婚歴のある牧場主デーヴィッド(クリス・クリストファーソン)とも
互いに好意を持つようになるものの、男性に頼らず、故郷に帰って歌手の仕事をする、
という夢を捨てきれないアリスはデーヴィッドと息子の事で大喧嘩してしまいます。。。

アリスは故郷に帰って歌手になるのか、故郷に帰らずデーヴィットと幸せに暮らすのか。。。


 

今見ると、古臭さは否めないかもしれませんが、
製作当時の時代背景を考えると、
男性に頼らず自立しようとするアリスの姿は等身大に映ったのかもしれませんね。

特典映像で製作秘話みたいなインタビューがついていたので観たところ、
デーヴィッド役のクリス・クリストファーソンは俳優として駆け出しで、
演技について色々悩んでいたら、スコセッシ監督に脚本のト書きは無視してよい、
と言われてセリフのみを覚え、自分で役柄を作り上げた、、とか。

とはいえ、あまり印象的でない役柄というか、どんな俳優さんでもよかったような。(^_^.)
(ハーヴェイ・カイテルの存在感というかインパクトの方が大きかったかな)

また、結末も撮影日当日まで決まらなかったらしく、
デーヴィッドとくっついてハッピーエンドにするか、別れて故郷に帰って歌手になるか、
どちらにするか、、、という話し合いで、デーヴィッドとくっついてアリスは故郷に連れていく、
そうしたらどうか、というアイデアがクリス・クリストファーソンから提案され、
その方向に進んだそうです。
(とはいえ、実際の結末は、2人がくっついて、でも、故郷には帰らないで、
 アリスはトゥーソンで歌手になろうとする、という終わり方になっていました)

アリスが歌手の仕事が見つからずダイナーのウェイトレスになるという設定は、

ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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などなどを観ていても、アメリカで見つけやすい仕事なのかと思いました。

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この作品の冒頭で、スティーヴ・ブシェミ演じるミスターピンクが、
チップの支払いを拒むのですが、ダイナーのウェイトレスはチップで生活している、
と言われるシーンがあるのを思い出しました。

アリスも先輩ウェイトレスにボタンをもう一つ外して屈めばチップが増えるわよ、
なんてアドバイスをもらったりするので、基本給が少ないのでチップをいかに沢山もらうか、
そういうことが大事なのかな、なんて映画を観ながら思いました。

 

また、アリスの息子トミーが通うギター教室で出会う不良少女がジョディ・フォスターで
少年ぽい雰囲気を醸し出しながら演じている姿に、
「こんなちっちゃい頃から、こんなに演技が上手いなんて」と目が釘付け。。。


この作品の2年後、同じスコセッシ監督作品、

タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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ここでも存在感たっぷりに出演していますが、
その前にもこういう役柄を演じていたんだなあ、と、何だか良いものを見つけたような
そんな気分になりました。


この作品は、当時人気のあったエレン・バースティンがフランシス・コッポラに
新進気鋭の監督を紹介してほしいと依頼してスコセッシ監督を紹介してもらい、
彼女が希望する題材で作った映画だそうですが、
スコセッシもこういう女性を中心にした素敵な映画が撮れるのね、、、なんて
違う意味での驚きというか、ハーヴェイ・カイテル&ジョディ・フォスター発見も含めて
めっけもん的な気分で見ることの出来た「アリスの恋」でありました。

 


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