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映画「ファミリー・ツリー」を観る [映画(は行)]

久しぶりに映画館に行って「ファミリー・ツリー」を観ました。

ファミリーツリー.jpg

あらすじはYahooさんより。

マット(ジョージ・クルーニー)は、妻と2人の娘と共にハワイで暮らしていた。
ところがある日、妻がボートの事故に遭い、そのまま昏睡状態となってしまう。
それをきっかけに、妻が彼と離婚するつもりだったことや、
そのことを長女(シャイリーン・ウッドリー)だけでなく友人たちも知っていたことが判明し
ショックを受ける。。。。





この作品の監督はアレクサンダー・ペインなのですが、


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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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この作品が好きなので、同じ監督なら面白いだろう、と思って観ましたが、
面白い、というか、大変味わい深い作品でした。

 





マット・キング(ジョージ・クルーニー)の妻エリザベスはモーターボートで事故に遭い、
病院に運ばれたものの意識は戻らず昏睡状態になってしまいます。
夫のマット(ジョージ・クルーニー)は、妻が事故に遭った時、出張で出かけていた上に
妻とは数ヶ月ろくに話をしていなかった状態で、
先祖代々受け継いだ土地による収入は生活費に回さず
(土地は先祖からのもの、という解釈)
弁護士で働いた給料だけで生活させていたことを反省し、
妻にボートでも買ってあげればよかった、、、と後悔します。


一方、母親の急変で精神的に不安定になってしまった次女のスコッティは、
昏睡状態の母親を撮った写真をアルバムにして同級生に見せて学校から呼び出しされたり、
同級生の悪口を言って父兄から苦情を言われたり。
学校で謝り、同級生の父兄に謝るマットは、自分がこれまで仕事一辺倒で
育児も妻にまかせきりだったことを改めて実感します。


娘にどう接してよいのか分からないマットは、ハワイ島の大学に通う長女アレックスを連れ戻し、
母エリザベスの意識は今後戻らないこと、生命維持装置をつけずに自然にしたいと
本人が希望していること(自分の処置に関する事前確認書を書いておくんですね)
エリザベスが亡くなる前に、親戚や知人に知らせたい、とマットが伝えると、
アレックスは母が浮気していたことを告げます。


妻の浮気のことなど全く知らなかったマットは動揺し、友人夫婦のところに押しかけ
(この時、短パン姿で必死に走るジョージ・クルーニーの姿がナゼか笑えます)
事実を聞こうとして反発されるものの、「自分ならそうする」と友人夫婦の夫に
浮気相手の名前(ブライアン・スピアー)だけ、何とか教えてもらいます。


妻の浮気。知らなかったのは自分だけ。。
ショックを受けたマットは、問い質したい妻に問い質すこともできず、
浮気を知る前には、土地で儲けたお金でボートを買ってやればよかった、
世界旅行にもいけばよかったと思っていたのに、そんな妻が浮気、
しかも昏睡状態で本人に聞くことが出来ないことに愕然とします。

妻の実家に行けば、妻の父親に、娘を苦労させたことを責められ、
娘は死ぬがお前はこれから土地を売って大金を得るんだと嫌味を言われます。
※マットの一族が先祖代々信託されているカウアイ島の広大な土地の信託期間が
 7年後に終了する為、(アメリカでは土地の永久保有が法律で禁じられているそうで)
 売却することになっていたのですが、売却すると数億ドルがマットの親族たちに
 転がり込むことをエリザベスの父は快く思っていませんでした。


そんなマットが浮気相手を探そうと思うと長女アレックスが手伝うと申し出、2人で探すことに。
そして、道端で見つけた看板から男が不動産を営んでいることが分かります。
客を装って浮気相手(ブライアン)の居場所を突き止めたマットは、
長女アレックス、次女スコッティ、アレックスに彼氏のシドもつれてカウアイ島に向かいます。


偶然、朝の海辺のランニングでブライアンを見つけたマットは、
彼がマットの従兄ヒュー(ボー・ブリッジ←G・クルーニーと全然顔似てない(笑))の物件の
コテージに泊まっていることを知り、ヒューにブライアンについて情報を聞き出すと。


マットをはじめとしたキング一族が所有する広大なカウアイ島の土地を購入しようとしているのが
浮気相手ブライアンの義弟であり、ブライアンの営む不動産会社が仲介すれば、
彼に多額の手数料が入るであろうことをヒューから聞かされます。


複雑な気持ちになるマット。


土地購入の意志を示したシカゴなどの他都市の業者でなく、
地元ハワイの業者に土地を売却すべきと考えていたマットですが、
広大に広がる自然をリゾート開発の為に売却することへの葛藤、そして、浮気相手が
それに関連していたことを知り悩みます。


そして、マットは浮気相手の男ブライアンのコテージをアレックスと訪れます。
動揺するブライアンはマットの妻とは体だけの関係で愛していなかったこと、
自分の家庭を壊したくなかったとマットに告げます。
(このあたりは、男って都合いいよね、なんて思いながら見てました)

エリザベスの命がそう長くはないこと、病院に会いにきてほしい、と病院の名前を告げて
マットはブライアンの元を去っていきます。。。


オアフ島に戻ったマットは、次女スコッティに母親の命があと数日であることを告げ、
アレックス(とその彼氏)、スコッティと病室で過ごしていると、
そこにブライアンの妻ジュリーがやってきます。。
マットが訪れてから夫の様子がおかしくなり浮気の事実を知ったというジュリーは、
泣きながらエリザベスの前に立ち、「あなたを許します」と話しかけて帰っていきます。

エリザベスの父がやってきて相変わらずマットに毒づきながら、
娘の顔にそっとキスをして別れを告げ、マットや娘たちも、一人ずつ別れを告げます。

そして、エリザベスはこの世を去り、ハワイの青い海にマットと娘2人で散骨します。




原題は“The Descendants”。

末裔とか子孫、という意味ですが、 マットが、カメハメハ大王の血を引く一族で、
その末裔たちが先祖代々の土地を売却しようとするという意味とか、
マットから娘アレックス、スコッティに血が受け継がれていく、みたいな意味で
そういう原題なのかと思いました。

いかにもハリウッド映画的な過剰な演出もなく、勿論スゲーCGもなく(笑)
(音楽もドラマチックなものはなくて至ってサラッとした感じ)
先祖代々の土地問題&奥さん浮気問題という大きな問題を抱えた主人公マットが
ハワイの雄大の自然を背景にしながら、娘たちと乗り越えていこうとするのが
わざとらしくないというか自然な感じに思えました。

登場人物もマットをはじめ、みなどこか憎めない感じ。誰かを物凄く悪い奴に描くこともなく。
浮気相手の男も家族を大事にしているし(ま、身勝手な感じもするけどね)
妻の父親もマットに辛くあたったり、孫娘達に厳しくしたりするものの、
死期迫る娘に対して見せる表情に親心を感じたり。。
アレックスの彼氏シドも、マット達にずっと同行してくるのですが、
最初はアホかな、こいつ、としか思えなかったのが、話が進むにつれ、
父を不慮の事故で亡くして母親が一人で育ててくれることに感謝しているとてもいい子
(マットに適切なアドバイスをしたりする)だということが分かります。


ジョージ・クルーニーはこの監督作品への出演を熱望して今回実現したそうですが、
この役柄を「サイドウェイズ」の主演ポール・ジアマッティが演じたらどうだったかなと想像し、
(結構この冴えないオッちゃんが好きな私)
ジョージ・クルーニーより合っているような気がする一方、逆にリアル感が増してしまい
サラッと見られないような気もしました。


また、最初は反抗的だった長女が途中から父親に協力していく様子を見るにつれ、
こういう「お父さんになつく娘」、ってのはアメリカならではのものだろうし
舞台がヨーロッパや日本になってもこうはいかないだろうな、と思いました。


マットが途中で「全てのものは、いつか終わりが来る」と言うのですが、
人生でも何でもそういうものなのかな、なんて見ながら思いつつ、
緊張しまくりの映画があまり得意ではない私には、肩肘張らずに見ることが出来ました。


ドラマチックな展開もありませんが、最後にはホンワカとした気持ちなれる
「ファミリー・ツリー」でありました。


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