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映画「プレシャス」を観る [映画(は行)]

予告編を観て観たいと思いつつ、結局映画館で見そびれた作品です。

プレシャス [DVD]

プレシャス [DVD]

  • 出版社/メーカー: Amuse Soft Entertainment =dvd=
  • メディア: DVD



あらすじはamazonさんより。

舞台は、1987年のニューヨーク、ハーレム。
16歳の少女クレアリース”プレシャス”ジョーンズは、お腹の中に子供がいる。
父親は、なんと自分の父。
母親からは、いつも罵声を浴び、虐待を受けている。
学校も楽しくない。
プレシャスはとんでもなく太っちょで、読み書きも出来ないから・・・。
「プレシャス=貴い」という名前とはかけ離れた毎日。
そんな中、学校を退学させられたプレシャスは、フリースクールに通い始める。
そこで一人の教師と出会い、初めて「学ぶ喜び」「人を愛し、愛される喜び」を知る。
そして、彼女の選んだ道とは・・・?



1987年のハーレム、といえば、今よりもっと治安が悪かったのかな、なんて思いましたが、
(社会人になりたての頃、ハーレムで迷いかけたことがあるのですが、
 まだ日が暮れる前の夕方だったにも関わらず、通りすがりの黒人女性に
 『用がないなら早くここから違うところに行きなさい』 と大通りで言われました。)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01/22
  • メディア: 新書


以前この本を読んだのを思い出したのですが、
映画で描かれているのは誇張でもなく、アメリカの現実の一部なんだと思います。
(時代の設定は現在よりも20年以上も前の話ではありますが)

生活保護をもらって仕事もせず怠惰な生活を続ける母(演じているのがモニークで吃驚)に
虐待される日々を送るプレシャスは、実父に犯され2人目の子供を妊娠したことを理由に
退学処分になってしまいます。

校長先生は数学が得意なプレシャスに違う方法で教育を受けてほしい、と
代替学校としてフリースクールを紹介します。
この学校でプレシャスを担当するレイン先生(ポーラ・パットン)は
根気強く読み書きをプレシャスに教え、プレシャスもその気持ちに心を開いていこうとします。

怠惰な母親メアリーは、ソーシャルワーカーが生活保護の審査で自宅にやってくる時だけ
プレシャスの祖母が預かっているダウン症の子供を連れてこさせて面倒を見ているふりをして
生活保護を打ち切られまいと真面目な態度を装います。

そんな母親の姿を見て、これ以上嘘をつきたくないと思ったプレシャスは、
(自宅に来たのとは違う)ソーシャルワーカーのワイス(マライア・キャリー)を訪ねて
事実をすべて話します。そのことがきっかけでメアリーは生活保護を打ち切られ、
プレシャスはきっと母親に怒られると思いながらも後悔しないと心を強く持ちます。

その後、プレシャスは無事出産。 
ワイスから子供を2人とも養子に出すように言われ、
納得できないプレシャスはレイン先生に訴えますが、
自分に責任を持つこと、子供がいたら読み書きも出来ないと言われます。

未来は無限大なのだから学校に行って学びなさい、というレイン先生の言葉を受け止め、
プレシャスは病院を出て帰宅しますが、生活保護を打ち切られた母親に辛く当られ、
子供と一緒に家を飛び出し、再びレイン先生の元に向かいます。。

レイン先生と住むところを探しながら、中間施設から一人目の子供モンゴを取り戻し、
前向きに生きていこうと思ったところに現れたのが母親メアリー。
プレシャスの実の父親がHIVだと告げたメアリーは家に戻ってくるか問いかけます。

プレシャスは二度と母親に会わないと心に決め、
生まれたばかりの赤ちゃんとダウン症のモンゴを連れて振り返らず出ていきます。。




幸せになる為には教育を受ければいいのか、という話ですが、
まずどん底から抜け出す、、とても大変なことですが、その為に必要なのが教育であり、
プレシャスが外の世界を観ることで気持ちが前向きになり、、
勉強して幸せになりたい、と思うようになるのを見て画面越しに応援したくなりました。


でも、この先、プレシャスはHIVを発症するかもしれませんし、
ソーシャルワーカーのワイスが勧めるように里子に出した方がいいんじゃないかな、と
私など思って観ていましたが、プレシャスは2人の子供を育てていこうと決意します。
この先、教育を受けてきちんとした仕事についてどん底をから抜け出したとしても、
病気になって、2人を育てていくのは大変かもしれない、そう思ったら、
単純にハッピーエンドにも思えず観終わった後も少々複雑な気持ちになりました。。


母親のメアリーを演じたモニークはとにかく迫真の演技だったのですが、
(この作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞されています)
色々調べてみたら、ご本人も幼い頃実兄に性的虐待を受けていた過去があり、
それをメディアにも公表されています。
この作品はご本人の辛い経験と重なるような場面も多かったでしょうし、
どのような思いで演じられていたのでしょうか。。。。
平々凡々にノホホンと大きくなった私には想像も及びません。

また、脇役ながらソーシャルワーカー役で出演していたマライヤ・キャリー、
ほぼスッピンの演技が話題になっていましたが、
モニークのこと(↑)を知ってしまうと、なんだか印象がすっかり薄れてしまい。。(^_^.)


あとは、プレシャスが入院した病院の看護師を演じていたレニー・クラヴィッツ。
これまたあまりインパクトがなかったような。。。


実話ではありませんし、見ていて目を覆いたくなる場面もあったり、
気分どんよりに中盤なってしまったりもしますが、世の中そんなに甘くない、とは思いつつ
学ぶことで前向きな気持ちになって強くなっていくプレシャスを見ながら
私も前向きに生きていかないといけないな、なんて気持ちになれた「プレシャス」でありました。


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