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映画「八日目の蝉」を観る [映画(は行)]

さんぽ記事も一段落したので、ちょっと毛色を変えて。(^_^)


 

普段あまり邦画を観ないのですが、なんとなく気になっていた作品だったので
「八日目の蝉」を観にいきました。(観にいったのは5月下旬)
八日目の蝉.jpg 永作博美 結構好きだったりするもんで

で、原作本があるので、amazon先生から転載しようと思ったら、

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。
理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。
角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。

これだけでした。(汗)



不倫相手の子供を身ごもったものの、相手に懇願されておろした希和子。(永作博美)
それが原因で子供を生めない体になってしまい、正妻のところに生まれた子どもを
一目見るだけ、、と思いながら、見た途端、連れ去ってしまう。。。
その後、連れ去った子供、薫を連れて逃亡し、たどり着いたのが小豆島。
薫との幸せな生活も続くはずがなく、希和子は逮捕され、幼い薫は実の両親の元に帰るが
素直に両親を親と思えないまま薫(本当の名前は恵理奈)は成長して大学生となり、
親元を離れて一人暮らしを始めるが、バイト先で知り合った妻子持ちの男の子供を
身ごもってしまう。。。。




こんな感じの話なのですが、冒頭が逮捕された希和子の裁判のシーンなので、
希和子は後々捕まるんだな、ということを念頭に見続けることになります。

人の命を殺して死刑になるのに、人の心を殺しても死刑にならない、と叫ぶ正妻に対して
(薫が家に戻ってきてからも両親になつかなかったことを「人の心を殺して」と表現してた)
薫と過ごすことが出来て感謝している、といいながら詫びる気持ちは無いという希和子、
2人の対照的な表情が冒頭で映されるのが非常にインパクトが強く、
どちらの立場も分かるし、、なんて思いながら見続けました。

成長した薫(というか本名は恵理奈、井上真央が演じてました)は、
人に対してどこか冷めたところがあるのですが、不倫相手の男(劇団ひとり(←ナゼ?))との
子供を身ごもってしまい、色々考えた結果、男と別れて生もうと決心します。

それを知った実の母親は怒り取り乱すのですが、薫の決心が揺らぐことはなく、
薫の記事を書きたいと申し出てきたフリーライター(小池栄子)と訪れた小豆島の風景に
忘れていた記憶がよみがえり、希和子の思い、そして実の母の思いを理解し
生まれてくる子どもを全力で守ろうと思うところで映画は終わりました。



 

 

原作は、映画版とラストの場面も違うようなので、

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 文庫

読み始めたのですが(まだ半分くらい)、やはり映画に盛り込めなかった部分が多いのと、
映画で「保険にも入れない状況で子供が病気になったらどうしたんだろう?」という疑問にも
原作では触れられていました。


昨年NHKで放送されたドラマ版、残念ながら今年の再放送は見逃してしまいましたが、

八日目の蝉 DVD-BOX

八日目の蝉 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • メディア: DVD


レンタルしてみようかな、と思ってます。。

永作博美というと若年性アルツハイマーにかかった女性を演じたドラマ
が一番印象に残っているのですが、この作品でもとても心に残る演技でした。

薫を連れ去った後、いつか別れがくるんだろうと思いながら愛情を注いで薫を育てる姿に
ずっとウルウルしてしまった私ですが、希和子、実の母(正妻)、薫、フリーライター、と、
登場する女性4人、それぞれが抱える思いをそれぞれの立場になって観ると
一層作品を深く見ることが出来るような気がしました。

一方では、希和子の不倫相手や薫の不倫相手、こういう男性は本当にダメだな、と
スクリーン越しに思わずイラット星人(V)o¥o(V)。
ま、こういう自分に都合よく、(出来ないくせに)相手の女性に調子いいこと言う男、
多いと思うんだけど、こういう男を頼りにしちゃダメだろな、と、改めて思いましたね。




タイトルの「八日目の蝉」というのは、
地上に出て1週間で死んでしまう蝉が、八日目にも生きていたらどうなんだろう、ということで
最初に薫が「仲間が死んで寂しいのではないか」というのですが、
その後「他の蝉に見えない世界を見ることができて幸せなのかもしれない」と思い直します。

私自身は、薫を連れ去った希和子が、自分が生めなかった子供と過ごせたかもしれない時を
薫と一緒に過ごすことが出来たこと、希和子が八日目の蝉だったのかな、と思いながら観ました。

予告編を観て気になっていたものの、さほどの期待もせず観たら思った以上に出来がよく
ちょっと驚いたのですが、素直な気持ちで(邪念が入ることもなく)観ることが出来る作品でした。

一番印象的だったのは、希和子と薫の自転車で坂道をおりてくるシーン。
別々の時間、別々の場所なのに、2人が重なって見えるので、
劇場でご覧になる方には是非気に留めていただければ。


涙涙は苦手、という方にはおススメしづらいのですが、、ちょっと気になる、、という方には
是非みていただきたい「八日目の蝉」でありました。


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