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映画「ブルー・バレンタイン」を観る [映画(は行)]

久しぶりに映画館(日比谷シャンテ)に足を運んで「ブルー・バレンタイン」を観ました。

BlueValentine1.jpgデレク・シアンフランス監督作品

 



郊外の一軒家で娘フランキーと3人一緒に暮らす
ディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)。

大学を卒業して看護師として働きながらキャリアップを図ろうとするシンディに対し
朝から酒を飲み、塗装の仕事をするだけで満足しているディーン。

結婚して7年、2人は互いに不満を持ちつつも平穏に過ごそうとしていたが、
ある日、飼っていた犬メーガンが失踪し、事故で亡くなった姿をシンディが発見する。
犬が死んだことを知らせないようにとフランキーをシンディの実家に預けた2人は
犬を庭に埋葬し、2人の時間を過ごすため、町はずれのモーテルに向かう。

途中、酒屋に立ち寄ったシンディが出会ったのが大学時代の同級生ボビー。
そのことをディーンに伝えると、ディーンは途端に不機嫌になってしまう。

モーテルで酒を飲みながら歩み寄ろうとするがうまくいかず、
酔ったディーンを置いてシンディは翌朝職場に向かう。
目覚めたディーンは置いていかれたことに気づき、シンディの職場に向かうが。。。。。


 

BlueValentine2.jpg ディーンとシンディ


男と女の出会いと別れ、端的に言えばそういう話なのですが、
2人が出会い、惹かれあっていく様子と、7年後に溝が出来て結局別れてしまう様子、
現在と過去を交差させながら描いているので、その対比が見ていて切なくなりました。


酒屋でシンディが出会うボビーとは、シンディが学生時代に付き合っていた男。

2人の娘フランキーは、ディーンの子供ではなく、ボビーの身勝手さで出来た子供であり、
それを知りながらもディーンはシンディのことが好きになり結婚してほしい、と言ったこと。

小さい頃からの父親に対する悪い思い出ばかりだったシンディは
寛容で全てを受け入れようとするディーンに惹かれていったのであり、
ディーンもそれに応え、困難を乗り越えて幸せな家庭を築こうとしたこと。

それでも歯車が少しずつ狂っていき、2人は別れてしまいます。。。

 



誰しも好きだと思って付き合って結婚する時、いつか別れが来るとは思わないでしょう。
(私だって付き合うときに別れが来ると思って付き合ったりはしませんし)

でも、月日の流れと共に少しずつすれ違う、歯車が狂っていく、、
不器用なディーンとシンディ2人には抗えない運命であったのかもしれません。

一目ぼれしたシンディにアプローチするディーンの懸命な姿とそれを嬉しく思うシンディの表情、
一転、言い合いする2人の疲れた表情、

これが交互にスクリーンに映し出されるだけに、
この先別れることになることも知らない幸せだった2人の姿、が痛々しく見えました。



主演のライアン・ゴスリングとミシェル・ウィリアムズ、
監督が脚本を70回近く(構想もかなり長かったようで)書き直してしまった挙句、
2人のやりとりはアドリブで、と指示されて演技したそうで、ギクシャクした感じもなく
非常に自然なカップルのやりとりに見えました。

また、結婚後7年経ってからの2人については、
3週間の共同生活後(その際、2人で言い争うように監督が指示したそうで)に撮影し、
共同生活の間に2人とも体重を増やし(ロバート・デニーロほどではありませんが)、
生活に疲れた中年の2人を切々と表現していたのが、己の中年ぶりにも突き刺さる感じで。。。


映画の予告編です。
 

 

 


私はこれよりもアメリカ版の予告編の方が気に入りました。
(画面右下のCCを押さえると字幕が出ます)


 

 

今回の映画を見て、以前見た映画を思い出しました。

 

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ミシェル・ウィリアムズの元恋人で若くして亡くなったヒース・レジャーの作品。
この2人は薬でどん底に落ちていき、別れていく話ですが、
惹かれあった頃の2人と落ちていく2人の対比が物凄かったのを思い出しました。


世の中、永遠に続くものなんてない、と言われたりもしますが、
そんな中でもやはり惹かれ合うものを求めるのは人間だからなんでしょうね。

でも、男の脳と女の脳はやっぱり違うんだろうな、という気持ちにもなったり、
鑑賞後の切ない気持ちは何ともいえないものでしたが、
私自身はなぜかまた何度も見たくなるような「ブルー・バレンタイン」でありました。

 


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