映画「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」を観る [映画(は行)]
昔見た「サイドウェイズ」以来結構好きなポール・ジアマッティが主演ということで
映画館へ観に行きました。
あらすじは映画.comさんより。
「ファミリー・ツリー」「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」の
名匠アレクサンダー・ペイン監督が、「サイドウェイ」でもタッグを組んだ
ポール・ジアマッティを主演に迎えて描いたドラマ。
物語の舞台は、1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。
生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポールは、
クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることに。
そんなポールと、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった
学生アンガス、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、
自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーという、それぞれ立場も異なり、
一見すると共通点のない3人が、2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように
過ごすことになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
置いてきぼり感、私も分かるような気がしました。
1970年が舞台なので今のようなパソコン、スマホ、インターネットもない時代、
みんながクリスマス休暇で自宅に嬉しそうに帰っていく様子と対照的に、
再婚した母から新婚旅行に行くから帰ってこないでと言われた生徒アンガス、
息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー(住み込みで働いている)、
他の教師が寄宿学校に指導役として残るはずだったのに貧乏くじをひかされて
残るはめになった教師のポール。
当初は他にも何名か置いてきぼりの生徒たちがいたのですが、
その内の1人の親がヘリコプター(スキーリゾート行)で迎えてにきたので
親が了承した生徒たちはそれに乗っていくのですが、再婚した母に連絡が
つかず時間切れとなったアンガスだけはそのまま寮に残るはめになるという、
授業でポールに悪態をついていたアンガスとポール、うまくいくわけないだろう、
そう思って観ているのですがいやいや、徐々に互いの存在を認め合うようになって
最後はめでたしめでたしだろう、と思っていたらまさかの展開でした。
学校に残った3人(ポール、アンガス、メアリー)、みんなクセがあるのですが、
3人で過ごす時間が増えてきて互いのことを話すようになるので、
誰しも(ポールでさえも)悩みや不満、迷いがあるのだな、と3人に対して共感の
気持ちで観られるようになります。
メアリーも大学に行くにはお金が必要と息子が入隊してベトナム戦争に行き
そこで命を絶たれてしまったことに対して親としてそうしなくても大学に通わせて
あげられなかったこと、世の中の理不尽への怒り、様々な感情が入り混じっている
様子に偏屈なポールでさえも感じるところはあったはず、そのメアリーのおかげで
ぎくしゃくしていたポールとアンガスの関係も和らいでいきます。
アンガスがボストンに行きたいというのを監督する立場という形で同行するポール、
そこでポールが学生時代に経験したつらいことをアンガスが知ります。
出身学校ではないところで気難しくて生徒たちに嫌われるように振舞っていたポールの
ことを理解しつつあるアンガス、そのアンガス自身も実の父親との対面し、ポールが
アンガスがまだ若いのに大きな悩みを抱えていることを理解します。
学校で語り合うようになったこと、ボストンに一緒に行ったことを通して、
(メアリーは車に同乗してボストンに行く途中に住む妹に会いに行きます)
ポールとアンガスの関係がだんだんほんわかした親子のように見えてきます。
シリアスな話の中にもクスっと笑えるエピソードが色々盛り込まれていて、
序盤から館内がクスクスに包まれる(でも話はどんどんシリアスになっていく)、
メアリーのつくるクリスマス料理に実母からそうされたことのないアンガスは感激し
メアリーにも心を開いていくのですが、終盤、ボストンからの帰iりのダイナーで
アイスクリームにアルコールをかけて火をつけるメニューを注文した彼らに
アンガスが未成年だからダメというウェイトレス、それならばとアイスクリームを
テイクアウトし、そこにアルコールをかけて火をつけるメアリー、予想外に燃えて(笑)
アイスクリームの入った箱ごとぼーぼーしたため食べられなかった場面では、観客も
大笑いしたものの、画面の向こうの3人も笑っていて更に3人の絆が深まっていった
と思えました。
その後、私もハッピーエンド期待でまったく想像していなかったような展開が
待っていたのですが(アンガス退学の危機)それを救ったのがポール。
現実もそんなにうまくいくものではないのですが、ポールがアンガスの将来を想って
自分を犠牲にしたことは今後のアンガスにとっても真面目に生きる糧になるのかな、
ポールは若いころの夢(本を書く)を叶えようとするのかな、驚いたものの、3人に
とってよい終わり方だったかもしれないと思って観終わりました。
誰しも他人に言えない秘密はあるでしょうし、悩みや迷いもあると思います。
私もそうですし。(^-^;
そんな中でどういう人に会っていくか、で自分の人生もいい方向にいくかどうか、
決まるようにも思えました。いわゆる一期一会、とこの映画で思ったのですが、
反面教師との出会いも時には必要なのかもしれないと思いつつ、今作のように
自分のことを真剣に考えてくれる人との出会いは大事にしないと、と思った
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」でありました。
ポール
映画館へ観に行きました。
あらすじは映画.comさんより。
「ファミリー・ツリー」「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」の
名匠アレクサンダー・ペイン監督が、「サイドウェイ」でもタッグを組んだ
ポール・ジアマッティを主演に迎えて描いたドラマ。
物語の舞台は、1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。
生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポールは、
クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることに。
そんなポールと、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった
学生アンガス、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、
自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーという、それぞれ立場も異なり、
一見すると共通点のない3人が、2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように
過ごすことになる。
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置いてきぼり感、私も分かるような気がしました。
1970年が舞台なので今のようなパソコン、スマホ、インターネットもない時代、
みんながクリスマス休暇で自宅に嬉しそうに帰っていく様子と対照的に、
再婚した母から新婚旅行に行くから帰ってこないでと言われた生徒アンガス、
息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー(住み込みで働いている)、
他の教師が寄宿学校に指導役として残るはずだったのに貧乏くじをひかされて
残るはめになった教師のポール。
当初は他にも何名か置いてきぼりの生徒たちがいたのですが、
その内の1人の親がヘリコプター(スキーリゾート行)で迎えてにきたので
親が了承した生徒たちはそれに乗っていくのですが、再婚した母に連絡が
つかず時間切れとなったアンガスだけはそのまま寮に残るはめになるという、
授業でポールに悪態をついていたアンガスとポール、うまくいくわけないだろう、
そう思って観ているのですがいやいや、徐々に互いの存在を認め合うようになって
最後はめでたしめでたしだろう、と思っていたらまさかの展開でした。
学校に残った3人(ポール、アンガス、メアリー)、みんなクセがあるのですが、
3人で過ごす時間が増えてきて互いのことを話すようになるので、
誰しも(ポールでさえも)悩みや不満、迷いがあるのだな、と3人に対して共感の
気持ちで観られるようになります。
メアリーも大学に行くにはお金が必要と息子が入隊してベトナム戦争に行き
そこで命を絶たれてしまったことに対して親としてそうしなくても大学に通わせて
あげられなかったこと、世の中の理不尽への怒り、様々な感情が入り混じっている
様子に偏屈なポールでさえも感じるところはあったはず、そのメアリーのおかげで
ぎくしゃくしていたポールとアンガスの関係も和らいでいきます。
アンガスがボストンに行きたいというのを監督する立場という形で同行するポール、
そこでポールが学生時代に経験したつらいことをアンガスが知ります。
出身学校ではないところで気難しくて生徒たちに嫌われるように振舞っていたポールの
ことを理解しつつあるアンガス、そのアンガス自身も実の父親との対面し、ポールが
アンガスがまだ若いのに大きな悩みを抱えていることを理解します。
学校で語り合うようになったこと、ボストンに一緒に行ったことを通して、
(メアリーは車に同乗してボストンに行く途中に住む妹に会いに行きます)
ポールとアンガスの関係がだんだんほんわかした親子のように見えてきます。
この映画の監督と主演なので今回もすんなり見られたのですが、
(ブログを始めたころに書いた記事)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2006-05-13-2シリアスな話の中にもクスっと笑えるエピソードが色々盛り込まれていて、
序盤から館内がクスクスに包まれる(でも話はどんどんシリアスになっていく)、
メアリーのつくるクリスマス料理に実母からそうされたことのないアンガスは感激し
メアリーにも心を開いていくのですが、終盤、ボストンからの帰iりのダイナーで
アイスクリームにアルコールをかけて火をつけるメニューを注文した彼らに
アンガスが未成年だからダメというウェイトレス、それならばとアイスクリームを
テイクアウトし、そこにアルコールをかけて火をつけるメアリー、予想外に燃えて(笑)
アイスクリームの入った箱ごとぼーぼーしたため食べられなかった場面では、観客も
大笑いしたものの、画面の向こうの3人も笑っていて更に3人の絆が深まっていった
と思えました。
その後、私もハッピーエンド期待でまったく想像していなかったような展開が
待っていたのですが(アンガス退学の危機)それを救ったのがポール。
現実もそんなにうまくいくものではないのですが、ポールがアンガスの将来を想って
自分を犠牲にしたことは今後のアンガスにとっても真面目に生きる糧になるのかな、
ポールは若いころの夢(本を書く)を叶えようとするのかな、驚いたものの、3人に
とってよい終わり方だったかもしれないと思って観終わりました。
誰しも他人に言えない秘密はあるでしょうし、悩みや迷いもあると思います。
私もそうですし。(^-^;
そんな中でどういう人に会っていくか、で自分の人生もいい方向にいくかどうか、
決まるようにも思えました。いわゆる一期一会、とこの映画で思ったのですが、
反面教師との出会いも時には必要なのかもしれないと思いつつ、今作のように
自分のことを真剣に考えてくれる人との出会いは大事にしないと、と思った
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」でありました。
ポール
2024-07-20 08:00
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