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映画「ガガーリン」を観る [映画(か行)]

予告編を観て気になっていたフランス映画です。
ガガーリン.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

パリ郊外にある大規模公営住宅ガガーリンに暮らす、16歳のユーリ(アルセニ・バティリ)。
老朽化と2024年に開催されるパリ五輪のためにガガーリンの解体が決定して住人の退去が
進むが、彼は亡き母との思い出が詰まったこの場所を守りたいと考える。
友人のフサーム、ディアナと解体計画の阻止に奔走するうちに、自由で明るいディアナに
惹(ひ)かれていくユーリ。
刻々と期限が迫る中、宇宙飛行士になる夢を抱く彼は、無人となった団地が宇宙船に
見えるように手を加えようとする。

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なぜ、フランスでガガーリン?

冒頭から最後までそこが分からない変なモヤモヤに包まれながら
(先に調べておけばよかったのでモヤモヤは自己責任)
ほわっとした感覚のまま見終わりました。

観終わった後調べてみたら

その舞台は実在したガガーリン団地。
60年代初頭、"赤いバンリュー"と呼ばれるパリ南東のイヴリー=シュル=セーヌに
建設されたこの公営住宅は、名前の由来である旧ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンも
訪れ、フランス共産党の成功の象徴となった。
だが、80年代以降、産業の空洞化と移民の流入によって次第に衰退し、
パリ・オリンピックを5年後に控えた2019年に老朽化した団地が取り壊された。

とありました。(News Weekの記事からそのまま転載)

映画の冒頭で、ガガーリンが訪れている映像が流れていたのってそういうことなのか、
観終わって気づいた私です。(笑)

フランス映画を観ていると移民の多い国なんだなあということを感じるのですが、
今回の主人公ユーリはアフリカ系(2世とか3世なのかな)、一緒に遊ぶ友人たちも
ロマ(演じていたリナ・クードリ、最近見た映画と全然イメージ違っていました)、
中東系と、郊外の古い団地(家賃が安い=低所得者向けということなのかと)で
生活する人たちを描いた作品で、取り壊しが決まってから実際の団地で撮影されたそうで、
実際の団地を使っている分、ドキュメンタリー色が強い印象を受けました。

オリンピック開催とともに古い建物取り壊しというと、
前回の北京オリンピック(夏)開催で強制立ち退きしている様子を思い出しますが、
今作での立ち退きもかなり強行というかあまり時間の猶予がない中で移転先を
探さないといけない住民たちの様子が見ていて切なくなりました。
その中でもユーリは母親が恋人の所に行ってしまい一人ぼっち、
母親のいるところに移転するはずが来られても困ると寸前で拒否されてしまい
(このお母さんもあまりに無責任だと鑑賞中ずっと腹が立っておりました)
生活のために家にあるものを売りにいく姿が16歳でそんなに大変なことに
なって、、、とみていて悲しくなってしまったのですが、
行く先もなく、ユーリが立ち退くことなく、自室を宇宙船に見立てて改造、
(そのお金はどこから出てくるのかという疑問は横に置いて鑑賞)
一人残ってガガーリン団地で生活していく様子を見ると、
母親のところに行くしかなかったけれど行くことさえできなかったユーリ、
団地の外に出ていくことへの不安を宇宙船を作ることで和らげていたのか、
そんな気持ちで観終わりました。

ユーリの宇宙船生活も楽しそうに見えましたが、ずっとそれが続けられるわけもなく、
命をおとすのではないかとハラハラみながらのラストの場面。
ハッピーエンドのようなそうでないような、どのようにも解釈できそうな、
観た人それぞれに委ねられているような、そんな気がしました。
ハッピーエンドだとしても、ユーリの置かれた状況、環境は過酷なものであって、
せめて母親がユーリと一緒に生活するように心変わりしてほしいと思いましたが、
古い建物(団地)が好きな人には映像だけでも盛り上がりそうな、
どこか不思議なファンタジーのような「ガガーリン」でありました。








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