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映画「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」を観る [映画(は行)]

ウェス・アンダーソン監督作品の新作、ということで
期待して映画館に観に行きました。
フレンチ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

20世紀フランスのとある街には、雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の編集部があり、
個性的な人々が集まっていた。
国際問題はもとより、アートやファッション、美食などのユニークな記事で雑誌は
人気があった。
だが、ある日仕事中に編集長が急死し、彼の遺言により、フレンチ・ディスパッチ誌の
廃刊が決定したため、編集者や記者たちは最終号を発行する。


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こんな雑誌があったら読んでみたい!

って、クセのある記事の数々、ジャンルがばらばらなんですが。(笑)

冒頭から引き込まれるのが雑誌社のビルの様子。
ビルの裏側が複雑で、近くのカフェのウェイターが様々な飲み物をお盆に載せて
雑誌社まで運んでいく様子がものすごく大変そうで、
階段を上がったりお盆を紐につけて引っ張って上げていったり、
やっとたどり着いた雑誌社にいる記者たちがまたクセの強そうな人ばかり。

印刷された雑誌が登場するわけではなく、雑誌の記事をオムニバスのように
次々とスクリーン上に紹介する構成ですが、雑誌のようにカラーだったり
モノクロだったり、アニメだったり(実写だと難しそうな場面がアニメだった
記者が自分の書きたいことを書く、編集長(ビル・マーレイ)が記者に言うのは
「自分の意図が伝わるように記事を書きなさい」、それだけ。
記事のページ数が多くなっても全部載せなさいという編集長の心の広さ、
そんな編集長のもとに作られた雑誌、世界各国で人気のあった雑誌が
亡くなった編集長の遺言で廃刊となる、その最終号を紹介するのがこの映画。

4つの話の最初が、オーウェン・ウィルソンがチャリにのって雑誌社のある街、
アンニュイ(フランスにある架空都市の設定)を紹介する記事ですが、
一番短くて、この雑誌社がどういうところにあるのかを軽く紹介しています。
(といっても、街の今昔が意外とシュールな雰囲気だったりします)

その次が、刑務所で服役中のモーゼス(ベニチオ・デル・トロ)が芸術に目覚めて、
同じ刑務所で服役中(脱税で有罪)の美術商(エイドリアン・ブロディ)に
モーゼスの才能と作品を評価されて成功する話、
3つ目が、学生運動にのめり込むゼフィレッリの青春と恋、
4つ目が、アンニュイ警察署長が雇うシェフと署長の息子の誘拐の話、
なんの関連もない、4つの話を、記者の語りで描いていく、
どの記者もクセありありで、演じていた中で一番マイルドに見えたのが
オーウェン・ウィルソンという。(笑)

2つ目のティルダ・ウィンストン、3つ目のフランシス・マクドーマンド、
4つ目のジェフリー・ライト(007のフェリックス・ライター!)、
なんだか記者がこんなにクセがあると記事も一筋縄ではいかない感じで
セリフの多さについていくのが大変とはいえ、独特の世界に入り込んで
変な笑いとともに鑑賞しました。

個人的に面白かったのは、2つ目の囚人モーゼス。
レア・セドゥ演じる女性看守をヌードモデルに絵を描き、それを美術商が
売り出していくことで天才画家として脚光を浴びていくエピソード、
レア・セドゥの脱ぎっぷりにも感嘆しちゃったのですが、ベニチオ・デル・トロの
どこか行っちゃってる感じの演技がツボでした。

とにかく出演者が豪華で、
ビル・マーレイ(編集長)、ティルダ・ウィンストン(記者)、
フランシス・マクドーマンド(記者)、オーウェン・ウィルソン(記者)
エイドリアン・ブロディ(美術商)、レア・セドゥ(看守)、
マチュー・アルマリック(警察署長⇐007慰めの報酬の悪役!)、
エドワード・ノートン(運転手)、
ウィレム・デフォー(アバカス(そろばん、計算器の意(笑)の会計士)
などの、ウェス・アンダーソン作品の常連的存在の俳優さんたちに加えて、
ティモシー・シャラメ(学生のゼフィレッリ)、
シアーシャ・ローナン(ジャンキーのコールガール!)、
ジェフリー・ライト(記者)と、俳優さんたちがウェス・アンダーソン作品で
楽しそうに演じているのがこちらにも伝わるような、そんな作品でした。

とは、知らない俳優ですが、4つ目でアジア系のシェフ、ネスカフィエを演じていた
スティーブン・パーク、見た目のインパクトで記憶に残る役柄でした。
(といっても違う役柄だともうきづけないかもしれない(笑))

映画の関連動画を見ると、監督が3つのテーマを掲げていて、
「アンソロジー」「ニューヨーカー(雑誌)」「フランス映画」
その3つが確かにうまく込められていると鑑賞後に改めて思いました。
ウェス・アンダーソン作品というと、
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これらの作品に妙に惹かれてしまった私なので今作も面白かったのですが、
1回でセリフや話をすべて理解するには情報量の多い映画だったような、
わかるようなわからないような、映像美と独特の雰囲気を楽しめればいいか、
という気持ちにもなりつつ、過去作品を見直してから、もう一度見てみたいと思った
「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」
でありました。






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lovin

全然知らなかった映画ですが、
フライヤー、すごくステキですね。
それだけで観てみたくなるような。。
by lovin (2022-02-22 08:37) 

うつぼ

lovin姐さん、こんばんは。
ウェス・アンダーソン監督作品に抵抗がなければ楽しいと思いますが
結構好き嫌いが分かれそう、かなと思っています。(私は好き)
出演している俳優さんたちがみんな楽しそうで、それを見るだけでも
良いかもしれません!

by うつぼ (2022-02-22 18:29) 

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