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映画「モルモン教徒殺人事件 マーク・ホフマンのいびつな執念」を観る [映画(ま行)]

Netflixのおすすめに出てきたドキュメンタリー映画です。

mormon.jpg
内容はNetflixさんより。

一か八かの企みは死者を出し、世界中に信者を持つ教会を根幹から揺るがした。
実際に起こった事件を検証する犯罪ドキュメンタリー。


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モルモン教といえば以前NYで観たミュージカルとか、
(大爆笑だった)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2012-05-14-4
最寄り駅でも見かけるエルダーたち(布教のために日本にきた人達)とか、
ソルトレイクシティが総本山的な場所だとか、
ユタ州という存在を教えてくれたケント・デリカットとか、
そういうばらばらとしたキーワードを並べた程度の知識ですが、
ミュージカル「The Book Of Mormon」を観ていたお陰で、
作品の冒頭から???となることなく見られました。

幸いなことに、タイトルにあるマーク・ホフマンのことも知らなかったのですが
いびつな執念の持ち主なんだというのは頭の隅に置きながら素直に50分程度のエピソードを
3話見たので、そんなに驚くこともなく鑑賞終了。

モルモン教に関する古文書を次々と発見するマーク・ホフマン、
本人もモルモン教の熱心な信者の息子で当然信者、モルモン教のインディ・ジョーンズと
言われていたほど(インディジョーンズが公開されたころの話なんですね)、
その後、モルモン教の起源が違うのでは、と根幹を揺るがしかねない手紙が発見される。
「サラマンダーの手紙」を見つけたのもマーク・ホフマン、なんか出来過ぎじゃないの、
と思いながら見続けていると、モルモン教でその手紙の真偽のほどは分からないものの、
モルモン教そのものに対する影響を考えて購入すると、それに関わった人たちが
次々と爆弾をしかけられて命を落とし、マーク・ホフマンも爆弾で重症を負う。
という描き方だと、モルモン教の本部による事件かと一瞬思ってしまうのですが、
そうだとこのドキュメンタリー映画も問題作、あのミュージカルが生まれるわけもなく、
じゃあ、怪我したマーク・ホフマンの自作自演?と思って見続けていると、
やはり彼による犯行だったということが中盤で分かります。

やっぱりそうだったんだ、と思う一方、なぜモルモン教徒なのにそういうことをするのか、
と思っていると、タイトルにあるようないびつな執念によるものだったということが
次々と掘り下げられていきます。

親が熱心な信者だからといって子供もそうかといえばそうでないこともあるわけで、
マーク・ホフマン自身は10代のころから教義を信じることもなく疑いを抱きながら
古文書の偽造を始め、それが偽造でなく本物であると鑑定されてから加速していく。
モルモン教を憎んでその存在の破滅を望んで偽造したサラマンダーの手紙。
巨額の富を稼いでおきながら浪費で借金を抱える生活、自己顕示欲と承認欲求が強い人、
そうなってしまったのも歪んだ親子関係などが理由のひとつになっているのかもしれませんね。
モルモン教徒の女性と結婚し、子供を授かり、表面上は敬虔なモルモン教徒で
モルモン教の古文書界のインディ・ジョーンズと評される、そんなマーク・ホフマンが
自分で蒔いた種(偽造した古文書)でちやほやされながら、それで自分の首をしめてしまい、
困ったからと関係者を爆弾で殺す、自分でも後退は出来ないと思って行ったことなのかも
しれませんが、今の時代であれば、鑑定方法ももっと進んでいるでしょうから、
彼の偽造した古文書も簡単に偽物と鑑定されて富を得ることもなかったかもしれません。

作品の終盤で、収監されたマーク・ホフマンの姿が年代ごとに紹介されるのですが、
(まだユタ州で収監されているみたいですね)
視線が狂気に満ちた感じで偽造や爆弾による殺人を行った人の行く末なんだな、と
思って作品を見終わりました。

信仰の自由があるといっても、親から信仰の強要があったとしたら、
こういうマーク・ホフマンのような人間が生まれてしまうのかもしれない、と
思いながら信じることの大切さがある一方で信じすぎる怖さのようなものも感じた、
「モルモン教徒殺人事件 マーク・ホフマンのいびつな執念」でありました。






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