SSブログ

映画「放射性廃棄物~終わらない悪夢~」を観る [映画(は行)]

知っていそうでよく知らないのではないかと思って借りた作品。


放射性廃棄物 ~終わらない悪夢~ 【DVD】

放射性廃棄物 ~終わらない悪夢~ 【DVD】

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2011/11/01
  • メディア: DVD

内容はちょっと長いけれどAmazonさんより。

フクシマだけではない、いたるところで漏れ出ている放射能。
使用済み核燃料サイクルの恐るべき実態とは?
原発最大のタブーに挑む、衝撃のドキュメンタリー!

福島の原発事故で初めて脚光を浴びた核燃料プール。
その中に眠る極めて危険な使用済み核燃料、それらの最終的な行き先は?
数十万年にもわたり放射能を撒き散らし続ける核廃棄物の最終的な処理方法も定まらないまま、
未来に危機を先延ばしにして原発を推進してきた矛盾、その矛盾を知りつつ隠蔽を続ける
原子力産業そして各国政府の[不都合な真実」を白日の下にさらした渾身のドキュメンタリー。
テレビで原発事故後にオンエアされるや、内部被爆、低線量被爆の問題から、
最近その名をよく見聞きする原子力企業アレバ社が行っている核再処理の実態までも丁寧に
明かしてゆくその内容に、ネット上などで大きな反響を巻き起こした。
製作は極めて良質なドキュメンタリーで知られるドイツ=フランス共同TV局アルテ社。

原発は稼動する限り常に核廃棄物を生み出し続ける。
そしてひとたび原発事故が起これば瞬時にそれらは巨大な凶器となり牙をむく。
事故がない状態でさえも低レベル放射性物質の投棄などにより常に汚染を広げているのが
実態なのだ。
取材班は原発の生み出した過去の悲劇から未来に待ち受ける危機にまでタブーなく踏み込む。
アメリカ原爆開発のためのプルトニウム製造工場からは、閉鎖された今もなお大量の核廃棄物が
土壌に溶け出し川に流れ込み魚を汚染している。
ロシアで50年以上前に起こった核施設の爆発事故現場近くの村では内部被爆による住民の
健康被害が今も続く。取材班は丹念にそれぞれの地で汚染状況を計測し土壌サンプルを研究所に
持ち帰り恐るべき結果を報告する。
これを見れば福島の事態が数年単位で収束するなどありえないことが誰の目にも明らかであろう。
また映画は、福島の汚染水処理などでその名を知られる世界最大の原子力企業アレバ社の
核燃料サイクルの実態にも切り込む。
使用済み核燃料から回収される大量のウランの行き先を追う取材班が行き着いた先は
シベリアの奥深く、地図に載っていない秘密都市セヴェルスク。
外国人の立ち入りを禁じられたそのエリアで、驚くべき実態が明らかに・・・・・・。






動画、、、フルムービーしか出てきませんでしたが、よろしければどうぞ。↑




製作は2009年なので東日本大震災の前なんですね。


その頃は私も全然気に留めてなかったということなんだな、
というか、日本で公開もDVD販売もされていたのかどうか、ですね。

以前、フィンランドに処理施設オンカロを設置するという映画を観ましたが、
(10万年もかかるなんて)→ http://utsubohan.blog.so-net.ne.jp/2012-01-15

原発を運営するフランスのアレバ社の社長が不透明なところをなくしますと、
テレビ番組で話すところから映画は始まりますが、
原発の仕組みとエネルギーを生み出した後に残された放射性廃棄物、
これがオンカロの10万年かとおもえばもっと無害になるまで時間がかかるかもしれない、
そんな物質があるということが分かります。

昔はそういうものを海底に沈めたりしていたというのが、
海底を撮影した映像から分かります。 海洋投棄ですよね。 
イギリス、アメリカ、日本、どの国も投棄していた、海をゴミ箱代わりにしていた訳ですね。

って、その撮影をしたのがグリンピース。
彼らが海底に残された50-60年前の放射性廃棄物のドラム缶を撮影した、というのを見て、
この団体って日本を攻撃しているだけではないんだ、ってことを知ったのですが
ま、それは本編とは関係ないので、割愛。(^_^.)

海洋投棄が禁止されたのが1993年。

たかだか今から20年くらい前に禁止されたというのは、それまでは捨て放題、
日本も捨てまくっていたのかな、なんて思いました。

で、海洋投棄は禁止されても、処理自体についての取り決めはないという。
日本でも未だに隠していることがたくさんあるのでは、と思うのもこんなところにあるのかもしれません。

長崎に投下された原爆に使われたプルトニウムを生産された場所も映りますが、
人も少なく穏やかに見える土地です。(ハンフォードというところ)
何かあっても、人が少なければ被害は少ないし、近くの川の水を使えば冷却にいいし、
そんな理由もあったようですが、当時、そこで働く職員が汚染された川で泳いだりする様子が
当時の映像として紹介されます。

無色で無臭、そんな物質、職員も危ないとは思っていなかったんでしょうね、
無邪気に川で遊ぶ姿にその後どうなったのか、、気になりました。。

日本でもそうですが、一部の人だけ知っていて、他の大部分の人は知らされない、
それがどれだけ危険であっても、それについて知ることを許されない、
報道されて、間違ったりむやみに大騒ぎするのも嫌ですが、
知らないことで自分の体が蝕まれたりすることがあれば不本意ですよね。

ドキュメンタリーなので映像が淡々と映し出されますが、
序盤で映し出されるのが1990年ごろのロシア。
プルトニウム生産後の廃棄物を湖に捨てまくり、放射能レベルが高くなれば埋め立て、
人工湖を作ってそこにまた廃棄物を捨てるという悪循環。

中盤、冒頭で社長が隠さないといったフランスのアレバ社の施設内に行きますが、
これも結局都合のいいところだけ映しているんだろうな、なんて穿った観方もできます。
全てロボットの自動化で処理されるといっても、最終廃棄物でさえ危ないわけで、
フランスの8割が原発で、それの最終廃棄物がたったこれだけ、といわれても、
(そんなに広くはないけれど)それが無害になるまでどのくらい時間がかかるのか、
その9割以上がウランということを考えると何十万年かかっても、、というのは、
私でさえわかることだったりします。

アレバ社のコメントは顧客に聞いてくれ、となるわけで、
その顧客はフランス電気公社というわけで、そこからウランの取引となると、
つながっていくのはロシア。

再処理で回収されたウランはロシアを何度も経由してトムスクというところまで
8000㌔を旅して運ばれるわけで、そこからセベルスクのトムスク7というところに運ばれます。

そこでウランを濃縮してさらに燃料にするという。

ウランを仕入れる資金がない為、使用済み核燃料の廃棄物を受け入れているという事実。
地元の議員でさえ事実をしらされないという現実。

更に運ばれた廃棄物のコンテナが屋外に無防備に置かれていること。

処理料を受け取ってそのまま置きっぱなし、にも見えるわけですよね。
(廃棄物の状況、今は衛星写真でわかるわけで)

コンテナは密閉で安心だけれど、怖いのはそこに飛行機が落ちること。
数ヘクタールにコンテナが置いてあっても問題ないというのが見解なのですが、
飛行機が落ちる確率は低いとはいえ、ゼロではないし、そんな雑なことをしていいのか、
そんな気持ちになります。

少しは再処理してフランスに戻りますが、大半は劣化ウランとして(残りかすみたいなもん)
ロシアに残る。それは全体の9割。

アレバ社は廃棄物の96%再利用できると言いながら実際は10%程度。

それで、続けていくのかという疑問ですよね。

この前、ドイツのメルケル首相が日本にきて原発についても言及していますが、
ドイツ自体は原発やめて、フランスから電気買って、、、となるとこれまた身勝手とは思いつつ、
こんな問題が起きても安定的な電気供給を理由に、これだけ問題があるのに続けようとする、
その姿勢には日本政府に疑問を感じます。

フランスでは宗教のような原子力、というコメントの後に、
処理も難しく、、続けていく疑問を感じるようなところで観終わりました。

以前、ピン芸人のある方が
「そんなに安全だというのであれば、都心に原発つくればいい」
「都心でも人が多いところ、たとえば中央区×××につくればいいんだ」
そんなことを漫談の中に織り込んで話していたのですが、
安心といいながら、東電の電力を作るのに、東電供給圏外に原発のある事実。

結局、自分の生活圏内が安全であれば、危ない原発もOKというのが実情なのではないか、
自分たちの便利が一部の人たちの不便の上によって成り立っているのであれば、
それってよくないというのは自分でもわかるのですが、
かといって、じゃ、お前はどうするんだと、なると、取敢えず事実を理解するところからはじめて、
原発は安心だから今後も推進という政党にはNOを言うべきなのかと思った
「放射性廃棄物~終わらない悪夢」でありました。





nice!(4)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 4

コメント 6

lovin

廃棄物ってやっかいですよね。
ふつうのゴミの問題でも、ここにきてやっと技術や意識があがってきて
リサイクルとか、自然に戻るものを使って作るとか、そうなってきた気がします。
放射性廃棄物は、さらにやっかいだと認識すること、
やっぱりそれが出ないような方向に進めたいですね~。


by lovin (2015-03-29 09:13) 

うつぼ

lovin姐さん、こんにちは。
震災であんなことになってもまだ止めようとしない政府ってなんだろうって
思います。廃炉にするにも巨額の費用と年月がかかりますしね。
100%安全なんてもんはありませんし、自分で処分できないのであれば
再開させるべきでないですし、国民に不安を抱かせないでほしいものです。
by うつぼ (2015-03-29 15:34) 

獏

どうも原子力や核には
親しみを感じませんし
なるべく使いたくないと
ずっと思っているのです。。。

by 獏 (2015-03-29 15:57) 

うつぼ

獏さん、こんにちは。
震災をきっかけにドイツは原発稼働を止めましたが、あれも、結局止めた分を
他の国から電力買うって話ですよね。 
原発依存が高すぎるのもどうかと思いますし、一斉に止められないので
あれば、依存度を下げていくしかないと思っています。

by うつぼ (2015-03-29 16:09) 

hideyuki2007y

原子力に代わるクリーンなエネルギーを早く開発してもらいたいと、3/11以後ずっと思っています。
by hideyuki2007y (2015-03-31 00:41) 

うつぼ

hideyuki2007yさん、こんばんは。
本当ですよね。
理想と現実のギャップを少しずつでも埋めていかないと、今の負を
将来に残していくだけになってしまいますもんね。

by うつぼ (2015-04-01 22:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0