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父の詫び状⑤ [いろいろ②]

無事、通夜、告別式を終え、父の骨と一緒に帰宅し、、、翌日。

それまで話しかけなかった父にお線香をあげるとなると思わず話しかける私。
生きているときにもう少し優しくしておけばよかったかもしれないな。
そんなことを思いながらお線香をあげて手を合わせ。


告別式が終わっても、、まだ色々と手続することってあるんですね。


最初に母と行ったのは近所の市役所出張所。


死亡届を出して、ここで出来る手続をお願いします、、、と伝えると、
手続一覧表を見せながら、◎◎はここ、△△はここ、と立て板に水の説明。

端末に父の死亡を入力したようで、あとは介護保険証を受け取ったところで
「ここで出来るのはここまでですから」と突き放すように言われました。


ぜいきんどろぼうめ。


そんな悪態つきたくなりますよね。

今の時代、通信事情も情報管理も進んでいるのですから、
住民票のあるところで死亡届を出せば、
色々な関連部署と連携して一括手続してくれればいいのに。

今回本当にそう感じました。

その後、これまで通っていた病院の予約を取り消したり急患で運ばれたときの御代を払ったり、、、
そして翌日、一人で本籍のあった新宿区役所へ。。。

相続などの関連だと、出生から死亡までの謄本をとらないといけないんですよね。
となると、新宿で出生届されていない場合、遡って違う役所にもいかねればならないわけで、
新宿区役所で「ここはどこの国?」って雰囲気の中(ある意味アジアンなんですけどね)、
都合4種類の謄本(法改正とかがあると謄本かわるね)をとって、、、
ここで出生が届けられていなかったので、遡ったところで今度は江東区役所へ。。。


顔も知らないジイサンが筆頭者なのでジイサンの名前を書き、
申請者のところに私の名前、筆頭者との関係に「孫(笑)」と書いて謄本取得。。


ここで出生届がされていたので、私は2箇所の役所回りで済みましたが、
転々と戸籍を移していると全ての役所で謄本とらないといけない、、、
ってすごくエネルギーが要りますよね。


80近い年寄りの母にそんなことさせられないです。 
都内に出るだけで大変なのですから。(実家、田舎だから)


この後、お香典リストをつくって、お返しを選んで。
父がお世話になったリハビリの病院とデイサービス施設何カ所かを訪問し、挨拶。


こうやって少しずつ父の足跡を消していくというか整理していくというか、、、で
母や私の気持も落ち着いていくのかな、、、そんな気持ちになりました。


①でも書きましたが、私は父が好きではないので、
今回亡くなったことについては悲しい気持ちは全然なく、
やっと寿命がきて仏様がお迎えにきたんだろう、って気持ちだったりします。


ただ、父が私や母に最後にしてくれたこと、そんなことを色々考えたりします。


急患でICUに入った後、12日間がんばってくれたのは、
母や私が気持ちを落ち着けて整理して、お別れの準備を慌てずにさせてくれたこと。


ICUに通うことで、今の救急医療の素晴らしさを垣間見せてくれたこと。


亡くなった後、ご近所さんが自宅にやってきてくれて色々話をしたときに
父の外面の良さ(←いい意味で)を知る機会をもらったこと。

ご挨拶にきてくれたご近所のオバちゃんが
「内面よくて外面悪い人より、お父さんは内面悪くても外面よかったからいいんじゃない?」
慰めだかなんだか分からないけれど、
そういわれて、そっかそうだよね、なんて気持ちになりましたし。(笑)


大嫌いな親戚とも話す機会をくれたこと。(ある意味修行のような)


こういうときに、誰(主に親戚ですが)が本当に母や私のことを大事に感じていてくれるか、
これから誰ときちんと付き合っていけばいいか、、、見極めさせてくれたこと。
(口ばっかりで調子良いだけの人も分かったし)


父急変の知らせがあった時、
寿輔師匠の独演会の打ち上げで乾杯!したばかりだったので、
まったく意地悪して邪魔してさ、、、なんて思ったり、
派遣がきまって働きはじめよう、、、という矢先の話だったので、
父を嫌っていた私にそれが跳ね返ってきたのかと、、、、父を恨みがましく思いました。


でもね。


友人に「辛いことも楽しいと思えるように対応すればきっといいことあるから」て言われて
ちょっとそういう悪態つくのもよくないか、って思ったら、考え方が変わりました。


私がぷーたろーの時にこうなったのは、
お母さんをちゃんと支えてあげてね、って父からの依頼だったのではないかって。

父には2年前に仕事を辞めたことはずっと黙っていました。
話せば何でそんないい会社を辞めたんだ、いつまでもグジグジ言われるのが分かっていたので
父が死ぬまで話すつもりもなかったのですが、、実は気づいていたのかもしれません。


それから、母が思いの外よぼよぼしているのを気づかせてくれたのも父。


これまでは、父があまりによぼよぼだったので、
母については元気なオバアサン、って思っていたのですが、
病院に通ったときにずっと見ていた母、お葬式で立ち振る舞う母、本当に年寄りだな、って。


そんなよぼよぼの母に介護されている父もさすがにこれ以上は悪いと思ったのかもしれないな、
そんなことを考えました。


母が孤独で老け込んでいかないように、、ちゃんと面倒みないといけないな、
私にそう思わせてくれたのも父のお陰かもしれません。


というわけで、超身内の父を見送ることで、色々学びよい経験をすることができたこと、
父の外から見える一面を垣間見ることが出来たこと、そんなことを思い返すと、、、
最後の最後になったものの、父には感謝の気持を持つことができて、
幸せだと思えるのでありました。



(父の詫び状、これにておわり)















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