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映画「クレイマー、クレイマー」を観る [映画(か行)]

中学生の頃に観たのですが、その頃見た気持と、中年になった今とで感じ方が違うのではないな、
なんて思ってウン十年ぶりに借りて観ました。

クレイマー、クレイマー コレクターズ・エディション [DVD]

クレイマー、クレイマー コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • メディア: DVD

あらすじはAmazonさんより。

 「失われた人生を取り戻したい」と、突如家出してしまう妻。
残された仕事人間のテッド・クレイマーは慣れない家事と育児に奮闘しながら、
息子ビリーとのきずなを深めていく。
しかし、再び姿を現した妻が子どもの親権を主張、法廷で争うことに・・・。





自分でも多分そうかな、と思いながら観たから、というのも多分にあるかもしれませんが、
やはり中年になってから観ると感想がちがいました。

中学生の頃に観たときは子供を置いて家を出てしまう母ジョアンナ(メリル・ストりープ)は
なんて身勝手なんだろう、勝手に出て行って1年経って今度は親権があると訴えるなんて、、
(最後には結局子供は父テッドの元にかえすことにしますが)
なんて感じで、家を出たお母さんの立場を一方的に酷いと思っていました。

でも、今回見ると全然違うというか、どちらの立場に共感するか、で感想も変わるのでしょうが、
ジョアンナが家を出ていったのも、夫のテッド(ダスティン・ホフマン)が仕事仕事仕事ばかりで、
家のことは顧みず、ジョアンナが仕事をしたいといっても、十分な収入があるのにナゼ?と
理解を示さない、そういう態度だったから、奥さん出ていっちゃったんだよね、なんて思いました。

ジョアンナが出ていって、テッドは仕事一辺倒というわけにもいかず、
息子ビリーの面倒を見て家事もこなさなければいけなくなり、
自宅に持ち帰った仕事の邪魔をビリーにされてオトナゲ無く怒りまくったり。
テッドは精一杯やっているつもりでも、ビリーには母がいなくなった寂しさに加えて
テッドが仕事を理由に自分のことをちゃんと見てくれないと思う気持ちがあったりして。

時間の経過とともに(テッドは会社を首になっちゃいますが)
家族と時間を過ごす大切さを感じ、ビリーとも絆を深めていくものの、
そんなときにジョアンナがビリーの養育権を申し立て裁判。。。。
(原題は“Kramer vs Kramer”、クレイマー 対 クレイマー、というわけで、
 ビリーの養育権を争う裁判のことをさしているんですね。)

中年になってジョアンナの気持になって考えながら観たのですが、
残念ながら私は子供がいないので、子供を持つ親の気持については
分かるような分からないような、、、私が思っているよりもっともっと大変なんだろうな、
なんて気持ちで見ておりました。

チョコレートアイスの件(ビリーが食事を食べずにアイスを食べてテッドに酷く怒られる場面)などは、
親にたくさん甘えたいのに甘えられないビリーの反発心みたいなものを感じましたし、
怒るテッドも、もっとビリーと一緒に過ごしたいものの、仕事もあるし、、というもどかしい気持ちが
あったのかな、なんて思いました。

ジョアンナが家を出て、ビリーを一人で育てていく内に、テッドも仕事一辺倒だった自分を反省し、
ジョアンナの気持を理解できるようになりますが、時すでに遅しというか、ジョアンナとテッドが
元のさやに納まり、ビリーと一緒に3人幸せに暮らしましたとさ、とはいかないのが、
ハッピーエンドでめでたしめでたしのハリウッド映画とは趣が異なりますが、
元通りにならない中でも、3人が幸せになってくれるのではないかな、という期待を持って
見終えることが出来ました。

法廷でのテッドとジョアンナを見ると、元々は好きで結婚した2人のはずなのに、
どうしてこんなに憎みあって(というかいがみあってというか)しまうのか、と思いながら、
2人きりできちんと話が出来ていたら、こんなにならなかったのにとも思いました。

こういう話は、映画製作時だけでなくて、現代でも起こりうる、というか、
実際に今でも実際にある話だと思います。
お子さんがいらっしゃる方が観たら多分もっと身近なこととして見ることができるかもしれません。

過剰な演出もなく、父親、母親、どちらか片方に偏った描き方もされていませんので、
製作から30年以上経った今でも色褪せずに見ることのできる映画で、
ワタシと同世代の方々にはお勧めできる作品「クレイマー、クレイマー」でありました。

ヴィヴァルディ/マンドリン協奏曲集

ヴィヴァルディ/マンドリン協奏曲集

  • アーティスト: オルランディ(ウーゴ),ビバルディ,シモーネ(クラウディオ),イ・ソリスティ・ベネティ,フラティ(ドリナ)
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1999/10/27
  • メディア: CD



作品の中で流れるビバルディの「マンドリンと弦楽の協奏曲」が
この映画の重たい空気もどこか軽やにしてくれるように感じました。この曲もオススメです。(^_^)


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コメント 4

獏

身につまされますなぁ・・・観ました この映画(^w^)☆

by 獏 (2012-12-26 09:45) 

うつぼ

獏さん、こんにちは。
男性から見ると、身につまされてしまいますか。。。
こういう男の人って意外と今でも多いのではないかな、なんて思いました。
私は残念ながら家庭を持った経験がございませんが(悲)、観ていて
こういうダンナはイヤだなあ、なんて気持ちにはなりましたねぇ。。。
by うつぼ (2012-12-26 16:18) 

まみりん

私の持ってるこの映画のイメージって、フレンチトーストだったんですよね(笑)
私も最初観た時は妻の身勝手さの印象が強かったんですが、きっと今観たら違うんだろうな~。
by まみりん (2012-12-27 04:31) 

うつぼ

まみりんさん、おはようございます。
私もリアルタイムにみたときは「フレンチトーストって食べてみたい」でした。
親に作って作ってとお願いして作ってもらいましたが、そのくらい自分で作れよ
と今なら思いますね。(笑)
まみりんさんにももう一度見てもらい、ダスティン・ホフマンがいかにダメな
男か確認していただきたいです。。。

by うつぼ (2012-12-27 09:49) 

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