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寿輔ひとり会で「妻の酒」 [落語・お笑い]

年に一度、師匠とお近づきになれる日、それが「寿輔ひとり会」なのですが、
今年も参加することができました。

 今年も来られてよかった。。。。(^^)

18時半開演ですが、会場の上野広小路亭は狭くて早くいかないと座れないので
今回も業後ダッシュで御徒町に向かい会場には18時過ぎに到着。。。

入口で木戸銭2000円支払うと、既に80人くらい入っていると言われました。
上野広小路亭って100人も入れば満杯のイメージ。

焦って2階の下駄箱に靴を入れて3階へ。。。。

先発隊で到着していたta-boさんと、彼女のmixi仲間でIさん、Mさんが
ナイスポジションの2列目(座敷席)を確保してくれていました。

ta-boさんとは昨年のひとり会でお会いしたきり。
まるで織姫と彦星のような関係(笑)ですが、
久しぶりなのにナゼカあまり久しぶりな感じもいたしませんで。。

で、やはり年に一度お姿を見るとホッとして嬉しくなるのが
寿輔師匠の長年のファンのミウラさん。

小柄でいつも素敵なお召し物でいらっしゃるミウラさんのお姿を見るのが
ta-boさんと私のひそかな楽しみなのですが、今年も定位置の最前列真ん中に
すわり、ほかの長年のファンの方々と楽しそうにお話されていました。(^^)


 

18:25にタイコが鳴り、最初に出てきたのは前座の桂宮治さん。

042406.jpg桂伸治さんのお弟子さんで3年連続出場

噺は「元犬」。  

蔵前の八幡様で育った野良犬の「しろ」が人間になりたい、とお参りし続けると
本当に人間になり、参拝客の上総屋に声をかけて着るものを貰い世話になるが
犬のクセがどうしても抜けない。 
上総屋に紹介されて千住の隠居のところに行くがそこでも犬だった時のクセが出て
大変なことに。。。。 という噺。

以前から前座さんなのに上手だなあと思っているのですが、
かなり遅めの入門でまだ3年らしいので、もうちょっと前座修行が続くのかな。
今後も応援していきたい宮治さんです。

そして続いて登場したのが今輔さん。

だったのですが、場内ギューギューなところに後から入ってきたお客さん。
噺を終えたばかりの宮治さんが入口付近で立ったままのお客さんを見て
「あと10人いらっしゃいますから詰めていただけますか?」とお願い。
座椅子席、既にギューギューなのですが詰めたりなんだりしていたら

「もう一度出直した方がいいですかね???」と今輔さん。

今輔さんをよそに一生懸命自分の席を確保しようとするお客さん多数で
落ち着くまでに数分。。。その間、今輔さんは高座で座ったまま。
「座れないお客さん、よかったら舞台に上がっていただいても。
 私の周り360度にお客さんが座ってもいいかなあ。(笑)」といいながら
成り行きを見つめ続け、「じゃ、落ち着いたようなので始めていいですか?」
と始めた噺が創作落語で「日本史発掘」。

マクラではいつもの地元(群馬の富岡)同級生ネタからクイズ大好きで
学生時代に出場した「クイズいただきます」の話など、相変わらずマジメだなあ
と思うようなマクラでした。

で、ネタの「日本史発掘」。

夏休み明けの高校のクラス。歴史の自由研究を発表しなさいという先生に対して、
トホホな発表を続ける生徒たち。。。
先生も飽きれて次に指名したのが井沢君。
日本にも古代文明があったと力説する井沢君の説明を聞くと。。。。。

という噺。

荒川流域に古代文明があったという井沢君の説明が、
モヘンジョダロ、アンコールワット、タージマハール、バーミヤンと
どこかで聞いたことの名前で??と思いながら聞き続けていると
途中やや苦笑してしまう感じのネタもあったりしたのですが、
昨年の女義太夫ネタに比べると面白かったかな。

 

そして、登場したのがお待ちかねの師匠。
ここのところすっかり黄色のイメージが定着してしまったのですが、
今回も黄色のお召し物でした。

観客(特に前方に座る人たち)がみなイジッテほしいと思ってるので
そういうときには殆どいじらない師匠。
なので、今回も殆ど客いじりがなかったのですが、

「今輔君って素晴らしいんですよ。。。。 名前がね。」 

「上方も入れると噺家って今700人くらいいるんだけど
 そんなに沢山いるのに私だけですよ、テトロン着てる噺家って。
 テトロンってね、凄いんですよ。 着てると、夏暑くて冬寒い。。。」

などちょろちょろっとマクラでお話した後に続いたのが「地獄めぐり」。
元は上方落語の「地獄八景亡者戯」で、上・中・下とあるそうですが、
普段は中が多いのだけれど、今日は上でね、と話し始めました。

因みに「上」って三途の川を渡るあたりの噺のことのようです。

ふぐに当たって死んだ人たちが三途の川を渡りにやってきたのですが、
三途の茶屋に行くと線香ポッキーなどのお土産がいっぱい。
そして茶屋の娘に三途河(しょうづか)の婆のことを尋ねると
満州事変まではいた婆も、その後の民主解放路線で姿を消し
閻魔様の愛人になって「BARババー」を開いて繁盛していたけれど
バーで働いていた鬼前の良い赤衆(=男前な赤鬼)と駆け落ちしてしまった。

なんてことを聞きながら三途の川を渡っていくとそこは地獄。

はい、この続きを聞きたいかたは明日の末廣亭に来てね、と師匠。

いつも前半は軽めなので20分も話していなかったかと思いますが、
三途河の婆のくだりで大爆笑させてたいだきました。。。


で、ここで普通は仲入りなのですが、今回はもう1人。
日高てん.jpgチャーリーカンパニーの日高てんさん
今回はギャラが安い(笑)という理由でコンとではなく落語を披露されました。
噺は「つぼ算」。 以前、元こぶ平が寄席で話しているのを聞いて以来です。
日高てんさんのコントはずっと昔に見たことがあるのですが
落語は初めて。(落語家さんじゃないので寄席でやるわけないし)
上方落語でとても軽妙で心地よい語り口でとても落語素人さんとは思えぬ
楽しい一席でした。(^^)

 

ここで仲入り。

 

ta-boさんのmixi仲間のSちゃんが遅れて登場したので
4人掛けのところに5人でギュウギュウ状態で着席。
体育座りしっぱなしでケツがマジで痛いです。。。(泣)

 

後半は、寿輔師匠と日高てんさんの対談。
こういうパターンは初めてですが、日高てんさんがゲスト出演してくださるのが
決まってから対談したかった、と仰る寿輔師匠。

今回の日高てんさんの落語は桂枝雀の話し方を真似て、という話から始まった
対談のテーマは「物真似」。
枝雀の落語は、もともと文生の真似だ、とか、
寅さんのテーマ曲とか上を向いて歩こうとか、N渕Tさんの某曲も実は、、、、、
なんてさすがにここで字面では書けませんが、お二人の掛け合いが面白く
どっかんどっかん笑いっぱなしの対談でございました。。。

20分ほどの対談が終わった後は、師匠だけ残ってそのまま座布団に座り2席目。


今回、14回目のひとり会で前売りがさっぱりだったので
お客さんもさほど来ないとおもったらこんなに沢山お越しいただいた上に、
入れずお帰りになった方も聞いて申し訳ない、、なんてしんみりお話された師匠、

「説明しないで噺に入ります」、といきなり話し始めたのが「妻の酒」。

毎日呑んで帰る夫に文句を言う女房。
ある日、「結婚して5年、呑まないで帰ってきた日は一日もないなんて。
あなたがお酒を止めないというなら私死にます!」という女房に
「酒は止めないよ」という夫。
「それなら私は私は死にます」と白い粉を飲んで女房はそのまま布団へ。

夫は腰が抜けて病院に連れていくこともできないまま寝てしまって翌日。

布団に女房がいないのでトイレで首つってるんじゃないかと慌てておきると
女房はいつものように朝ごはんを作っていた。

甘いものが欲しかったらあなたを驚かせようと思って砂糖を飲んだのよ、と
笑う女房を見た夫、どうにか自分の酒呑みを正当化させようと友人に相談。

と、女房にも酒を飲ませればいいんだよ、と友人から一升瓶を渡されたので
呑まずに早々帰宅。

呑まずに夫が帰ってきたとビックリする女房に
「今まで呑んで帰ってきて迷惑をかけた、今度からは外で呑まない、
これからは家で呑むことにする、だから今晩は一緒に呑もう」という夫。

女房に今まで苦労をかけたことを切々と伝えると女房も呑む気になってきたが
「お酒は三々九度で呑んだきり、何度もやっちゃいけないんじゃないですか?」とためらう。

「同じ人となら何度でもいいんだよ、
 5年前は新郎新婦、今は中郎中婦、この後は老郎老婦だ」と酒を勧める夫。

「さー、呑みなさい、番茶飲むつもりでぐーっと、、コーヒーみたいにぐーっと、
 紅茶みたいにぐーっと、ジュースみたいにぐーっと、さー呑みなさい」!と
勧める夫につられて猪口の酒を飲み干た女房、酒が回り、
亭主が自分に酒を勧めてくれたことが嬉しくなり、夫に酒を勧める絡み酒。

そして、嬉しさのあまり歌を歌い、今度は湯のみで呑むと言い出した。

そして、湯のみで酒を呑んだ女房は更にお代わりを要求、
酒を呑むと隣の奥さんの顔がひどいと大声で騒ぎする始末。

たしなめる亭主に「私はただ真似をしただけですよ」という女房。

「誰の真似してるんだ?」と聞く亭主に
「昨日の(酔っ払った)あなたの真似をしてるんです」と女房が答えてサゲ。

「真似」、対談からの流れだったのかなあ、と今記事を書きながら思っていますが
このネタ、どこかで聞いたことがあるなあ、と思ったら、
昨年ひとり会で演った「表札」の音源として買ったCD、

これで聞いていたネタでした。

今の今輔さんは六代目、このCDの今輔さんは5代目。

寿輔師匠は昨年に続いて5代目今輔さんのネタを演ってくれたのですが
先代への思いもあったのかなあ、なんて思いました。

私の記事で大体のあらすじは書きましたが、こ
れは直に噺家さんの表情を見ないと面白みが出ないネタかもしれません。

師匠が酒をごくごくと喉を鳴らしながら飲む姿に場内がドッカンドッカン湧き
本当に美味しそうに飲んでいるように見えたのですが、
普段聞けないネタをこういう場で聞けて嬉しかった上に、
聞きながら私もお酒が呑みたくなりました。(^^)

師匠の「妻の酒」でひとり会が終了したのが21時ちょっと前。

ここで普段ならta-boさんたちと近くで呑んで帰るのですが、
今回は夢のような展開が待っておりました♪

(つづく)


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krause

このような分野で、造詣が深いのですね。羨ましいです^^。
by krause (2010-09-29 17:28) 

へろーめ

姐さん、お酒を飲むより嬉しそうに書いてますねぇ。
私も一度は聞いてみたいもんです。
by へろーめ (2010-09-29 20:45) 

うつぼ

krauseさん、おはようございます。
ぜーんぜん造詣など深くはないのですが、好きな噺家さんを
追いながらネタを覚えていくのは楽しいですね。(^^)
by うつぼ (2010-09-30 06:52) 

うつぼ

へろーめ兄さん、おはようございます。
落語はまだまだ初心者なのでこうやって記事を書きながら
いろいろベンキョウしているのですが、寿輔師匠は一度は
直に見る価値ありです。インパクトが大きいので。(笑)
by うつぼ (2010-09-30 06:54) 

Bonheur

このシリーズを拝見する度思いますが、色んなキャラクターの方がいらして、楽しそうですね(^O^) ハチマキした日高さんが気になります。
by Bonheur (2010-09-30 23:01) 

うつぼ

Bonheurさん、こんばんは。
寄席や落語会は、落語、漫才、コント、奇術、神楽など
いろいろ見られるのでときにはずれもありますが(^_^;)
今回は皆さん楽しく聞くことができました。
日高さんは普段コントをされているのですが、現在相方さんが
いらっしゃらないようで、それもあって今回落語&対談に
なったのかもしれませんが、とても楽しい方でした。(^^)
by うつぼ (2010-09-30 23:23) 

lovin

ああ、たまには落語とかお芝居とか行かなきゃ、、と思いつつ。
最近、はな家さんのにも行けてないし。。
いかんいかん!
by lovin (2010-09-30 23:40) 

うつぼ

lovin姐さん、こんにちは。
姐さんは音楽でお忙しいからなかなか行けないと思いますが
たまには落語で腹の底から笑うとすっきりしますよ♪
by うつぼ (2010-10-03 10:34) 

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