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寿輔ひとり会で「表札」 [落語・お笑い]

昨日の愚痴記事に温かいコメントをいただき有難うございました。
お陰様で、元気が出たというかやる気が出たというか
下書きしたまま書き進まなかった落語記事を書き終えることが出来ました。(^^)


久しぶりの落語記事です。

実は、、今年に入ってからまだ一度も寄席に足を運んでおりません。(今年終わっちゃうよね)

三遊亭圓遊さんの独演会や、東京オーガニックボーイズの落語会には参加しているのですが、
寿輔師匠のお姿を拝ませていただくのは、今回の独演会が今年初めて。。。

 

師匠、不義理しててごめんねごめんねー[揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート] 

年に一度、9月中旬に上野広小路亭で開催される「寿輔ひとり会」にまいりました。。
相変わらず申し込み先は師匠ご本人なのでチラシに記載された携帯電話へダイヤルし、
はい、寿輔でございます[携帯電話]」とご本人が出られたのを確認し、申込み。

以前にも書きましたが、高座での客いじりとは真逆というかとにかく優しい口調で
「お申込み、有難うございます」とお礼まで言われて恐縮した私、
「今回も楽しみにしてます♪」と舞い上がって師匠にお礼を言いながら電話を切りました。

こんなやりとりが出来るのも年に一度の楽しみです。(^^♪

で、今回ご一緒したのは、年に一度しかお会いしていない気がするta-boさん、
と、ta-boさんのmixi仲間、Iさん、Tさん。 

堀越ヨッシーさんもお誘い申し上げましたが都合がつかず今回もお連れ出来ず。。
来年こそ絶対行きましょうね、ヨッシーさん。(^^)



昨年同様、2列目の真ん中に着席していると、
ほどなくして師匠の長年のファン、ミウラさんが登場し指定席の最前列真ん中に着席。

※ミウラさんは、寿輔師匠がド派手な着物を着る前から何十年にも亘ってファンという筋金入りの方で
 独演会などでもたまにお見かけしますが、非常にお上品なお婆ちゃま、という雰囲気の女性です。

昨年は変な中年カポーが最前列真ん中に座ってしまった為、
遅れてやってきたミウラさんは2列目右寄りに座っていらっしゃいましたが、
やはり一番前の真ん中に座っていただかないと、寿輔師匠も寂しく思われるでしょうから
ミウラさんの登場にナゼか安堵する私とta-boさんでありました。。。

場内満席となり、、開口一番で前座の桂宮治さんが登場しました。
042406.jpg 左が宮治さん 昨年に続いて2度目の登場です。。
「2年連続で呼んでいただいて、、寿輔師匠、、、大好き(^^)」と
師匠をヨイショした後の噺は「たらちね」。

大家の紹介で嫁をもらった八五郎だったが、
嫁の言葉が丁寧過ぎて何を言っているのかわからず四苦八苦しちゃう話。

前座さんとはいえ話し方は上手な方なので早く二つ目に上がってほしいですね。


続いて登場したのが、
円満.jpg 橘ノ圓満 
二つ目ですが社会人経験があるのか年齢は私より上です。。。。

噺は「孝行糖」。

親孝行を褒められ御奉行様から五貫文を褒美にもらった与太郎だったが
与太郎が褒美を考えなく使ってしまうのを心配した長屋の住人が
五貫文を元手に与太郎に「孝行糖」という名前の飴を売り歩く商売をさせる。
派手な売り口上もあって飴が飛ぶように売れたものの、
ある日、お殿様の屋敷前でも構わず派手な飴の売り口上をしてしまったので
さータイヘン、という噺。

マクラのところで江戸の売り声をいくつもしていたので一体何の噺をするのかな、
と思ったら、売り声(口上)が出て来る噺で納得。。
二つ目さんでまだ下の方にいらっしゃる方ですが、抑揚とか滑舌とか聞き心地よく
今後が楽しみな圓満でした。


で、やっとお待ちかねの 師匠登場。

今年初めて御目文字する師匠の姿に早くも目頭が熱くなり。。。。

師匠にいじってほしいファンばかりなので、そういうときには客いじりせず
独演会当日も日中に茅野(長野県)の敬老会で一席やってきた師匠、
刑務所の慰問に行った時の話をひとしきり。。。

宮城刑務所に行った時の話では、
「受刑者は極悪犯罪のエリートばかり1300名、そんな中でやるのは緊張するけど
 私の噺(多分ドハデな着物もだと思う)で無表情だった受刑者が大爆笑するのは嬉しい」

石垣島刑務所に行った時の話では、
「受刑者はショボイ罪ばっかで受刑者はたったの4人。少な過ぎて緊張もしない。」

と慰問話で来場者を笑わせた後、いつものようにミウラさんを見ながら、
「三浦さんはこんな超C級のアタシをずっと見守ってくれて感謝してます」的なことを仰り、、、

で、始めた噺が「親子酒」。

マクラの刑務所話は関係ないっすね。(笑)

禁酒の誓いを立てた父と息子だったが、
出かけた息子が帰ってくるまで、、、と禁を破って酒を呑んでしまう父、
息子の帰宅に泥酔しながら慌てたものの、帰ってきた息子も泥酔状態。。。という噺。

以前、三遊亭遊三などで何度か聞いたことのある噺ですが、
寿輔師匠、ホントに酔っ払ってるかと思いこんでしまいそうな噺っぷりに
場内ドッカンドッカン大爆笑。

殆ど古典落語などやらない師匠がどうして?と思ったら、
「この噺を高座でよくかけられていた桂文治師匠が亡くなって三回忌、
 もうそろそろアタシがやってもいかな、と思って」と仰ってました。。

こんな一面を垣間見られるのも独演会ならではよね。。。と思ったところで仲入り。

座椅子&座布団が座りにくいよね~、とta-boさんと話していると
「座布団、半分に折って座ると疲れないよ!」と教えてくれた隣のオジチャン、
カワサキさんというこれまた師匠の長年のファンだそうで、
この温かい雰囲気がたまらなく楽しく思えます。。。(^^)


で、仲入り後は、古今亭今輔さんが登場。
昨年真打昇進したものの、全く変わったところもないような。(笑)

噺は稲田和浩さんという演芸作家の創作落語で「伝統芸能入門」。

接待で取引先の「義太夫」を聞くことになってしまった男。
平凡百科事典で観てもぴんとこないし、
落語好きの同僚に聞くと「寝床」の噺を聞かされて怖くなり、
と、鈴本演芸場で女義太夫をやっているはず、と言われ
接待の予習にと上野に向かい寄席を探してさまよう男、
女義太夫が観られる寄席を探してます」と近くにいた男に聞いて案内されたのが
「よせ(寄席)」ならぬ「よーせー のやかた(妖精の館)」。
風俗店に騙されて案内されたと思っていたら、登場したのは娘義太夫。
驚きながら見入る男、、「これで接待は大丈夫!」と思ったら、
そこに入ってきたのが警察官。
義太夫を演じた娘が未成年の為、観客全員が淫行条例で捕まってしまい。。。

という噺。

面白いといえば面白いのですが、今輔さんご自身の創作落語の方が面白いかな。
今まで聴いた「飽食の城」とか「影武者」とかの自作落語の方が、
アラフォーがツボにはまる小ネタ満載で楽しいかな、なんてちょっと意地悪な感想に。。
と、今輔さんに次回お会いするときは自作落語を期待しつつ。

で、続いて続いて♪
 師匠 (写真は黄色ですが当日は黄緑でした、確か)

弟子の今輔さんが、昨年、錦之輔から今輔を襲名し、併せて真打昇進したことに触れて
「アタシが真打になって2年経った頃、
 先代の五代目今輔師匠がアタシに六代目継がないかって言ってくれたんだけど
 一週間考えて断っちゃったんだよね。そしたら今輔師匠、怒っちゃってね~。
 でもね、アタシは名前なんて別にいいの。
 こぶ○が今は正ゾウだもんね。(場内大爆笑)
 アタシの名前も花柳がつけば一流だけど、古今亭だから産業廃棄物みたいなもんでね。
 真打で誰が一番かなんて、ここに居るミウラさんが決めたっていいんだから。」

「落語家はね、前座の時に厳しく鍛えられるんですよ。
 自分の噺に客が笑ったらそれは客が甘いだけで、笑われなかったらそれが自分の実力。
 客が少ないほど鍛えられるけど、今日は客が多くてアタシは恵まれてるよね。」

なんて、いつものように殊勝なことを仰って話し始めたのが「表札」。

大学を出来ちゃった結婚で中退したトシオ。
田舎の両親に結婚したこともいえず、生活の為に就職したものの生活が苦しく、
大学に通っているとウソをつき仕送りを貰いながら妻&5人の子供と何とか生活している。 

と、長々留年し大学8年生になった(と思い込んでいる)父が
息子の様子を観に東京にやってくるとトシオに連絡してきた。

慌てるトシオが、隣の独身中年男性に相談すると、
暫く出かけるので私の家を使えばヤモメ暮らしに見えるだろう、と家を貸してもらえることに。
そのままではまずいので、トシオと隣の家の「表札」を交換してスタンバイ。

そんなことも知らずにやってきた父。

息子トシオの暮らしぶりを見て「会社勤めしてくれればなあ」と思わずぼやいてしまう。

と、渡りに船、と「お父さん、就職してもいいんですか?就職しましょうか?」と答えるトシオ。
「ああ、就職していいぞ」と答える父に、トシオが思わず今勤めている名刺を渡すと
「トシオ、随分、準備がいいんだなあ」と喜びながら、、

「就職したら、今度は結婚してくれればなあ」とぼやく父。

「お父さん、結婚してもいいんですか?結婚しましょうか?」と答えるトシオ。
「ああ、結婚していいぞ」と答える父に、隣の家から妻を連れてきて紹介する。

と、今度は、
「奥さんもらったとなると、子供か。孫の顔が観たいなあ。」と父。
「お父さん、子ども、作ってもいいんですか?作りましょうか?」とトシオ。
「ああ、子ども作ってもいいぞ。でも十月十日かかるだろう」と答える父に、
隣の家から末子の赤ちゃんを連れてくる。父ビックリ。

「子どもが出来たとなると、大きくなって歩くようになって
 “おじいちゃん♪”なんて言ってほしいなあ」と想像を膨らます父。
「お父さん、子どもに“おじいちゃん”て言わせましょうか?」とトシオ。
「ああ、いいぞいいぞ」と答える父に、隣の家から他の子どもたちを連れてきて
“おじいちゃん♪”と言わせると、父大喜び。。。。

「おまえのところにきてまだ30分くらいなのに、4、5年経った気分だ。
 この孫達が大きくなって婿をとったり嫁をとったりしたら、いやいやコワイコワイ、
 うっかりしたことは色々なことは言えないな」と父。

「お父さん、どうしたんですか?」と聞くトシオに
「いやいや、うっかりしたこと言うと、どんなでかいのが出てくるか分からない」と
父が言ったところでサゲ。


「表札」は初めて聞いたのでインターネットで調べたりして、

NHK落語名人選 (30) : 五代目 古今亭今輔

NHK落語名人選 (30) : 五代目 古今亭今輔

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1990/05/25
  • メディア: CD

思わず、五代目今輔師匠のCDを購入してしまいました。

五代目今輔師匠と話しぶりが少々異なっているというか
テイストはすっかり寿輔師匠の風合いになっていたのですが
古くなってしまった創作落語ながら父とトシオのボケた会話に爆笑しておりました。。。

個人的には酔っ払い噺の「親子酒」の方が笑えましたが、
他の噺家さんがなかなか高座にかけないような噺を掘り起こす師匠のお姿に
今回もグッとはまってしまいました。。

今年もあと2ヶ月しかないのですが、あと一回は寄席で師匠のお姿を拝まないと
と改めて思った師匠の「ひとり会」でありました。 


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へろーめ

落語は造詣が深くないので批評はしかねますが
9/17から温めていた記事が陽の目を見た事は
とても喜ばしいかとw
by へろーめ (2009-11-04 22:31) 

bluebird

ああ・・憧れの寄席。
大人の愉しみって感じですね^^
よいな~
by bluebird (2009-11-04 22:38) 

Krause

落語は未知の世界ですが、楽しそうですね^^。
by Krause (2009-11-05 04:43) 

うたに

ひさびさの落語ですね。
直接電話して予約を取るんですか! ファンとの距離が近くていいな。。
『自分の噺に客が笑ったら、それは客が甘いだけ…』いいこと言うなぁ。なんか、心にチクッと来ました。
by うたに (2009-11-05 12:32) 

うつぼ

へろーめ兄さん、こんばんは。
落語、、私も初級者に毛が生えた程度なのですが(笑)
寿輔師匠のネタは何とか頑張ってアップしたいので。。。
それでも下書きのまま陽の目を見ない記事もあるので、
落語記事は見て聞いた分はなるべくアップしたいです。。。
兄さんにもゼヒ生で寿輔師匠を観てほしいくらいインパクトの大きい
噺家さんです。東京にいらしたら小岩の他に浅草にもゼヒ♪

by うつぼ (2009-11-05 23:05) 

うつぼ

bluebird姐さん、こんばんは。
寄席だと持ち時間15分なのですが、こういう独演会だと一席30分くらい
話してくれるので至近距離も加えてファンには堪らない時間です。
今度姐さんが東京にいらしたら案内したい!!!!
by うつぼ (2009-11-05 23:07) 

うつぼ

Krauseさん、こんばんは。
最近は東京以外でも小さい会場などで落語会など多く開催されてますし
生で聞く落語をいつか体験していただきたいです。(^^)
by うつぼ (2009-11-05 23:09) 

うつぼ

うたにさん、こんばんは。
はい、久々に書きました、落語記事。(^^)
こういう落語会の多くは噺家さん本人に連絡することが多いかもしれません。
ドキドキしながら電話しますが、ご本人とお話できるのは嬉しいものです。
オンリーワン的存在の師匠のことはこれからも追いかけたいですね♪

by うつぼ (2009-11-05 23:13) 

ta-bo

その節はどうも〜。私も今年初めての寄席でした。
なんだか年々、時間の経過が早くなっているようで1年なんかあっという間に過ぎてしまいますね。。
刑務所ネタはとても面白かったので早速翌日からウンチクたれてしまいましたw
次回はぜひ1年以内にw お目にかかりましょう!
by ta-bo (2009-11-15 17:27) 

うつぼ

ta-boさん、こちらこそ、その節はどうもどうもどうも~。。。
出張疲れで呑み会にも参加せずすんまそんどした。(^_^;)
師匠と年に一度、こんなにお近づきになれる機会、、、、貴重ですもんね、
来年もゼッタイまいりましょう。
その前に呑み会でも。(笑)
by うつぼ (2009-11-15 18:18) 

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