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映画「レスラー」を観る [映画(や・ら・わ行)]

ミッキー・ローク復活作品の触れ込みもあったので「レスラー」を観ました。

w6.jpg ダーレン・アロノフスキー監督作品

公開一週目の平日夜、日比谷シャンテで観たのですが
中年オジサンが一人で鑑賞、、、が多数。
私のような女性一人もポツポツいましたが(同じ列のオネエサンも女性一人でした)
ダントツに多かったのは中年男性の一人鑑賞。やはり作品が作品だからでしょうか。。



20年前、トップレスラーとしてマジソンスクエアガーデンも満員にしたほどの
人気があったランディ(ミッキー・ローク)も年齢と共に人気も低迷し、妻とは離婚、
今ではスーパーでアルバイトをしながら小さな会場のメインイベンターとして試合に出て
糊口を凌いでいる。

ある日、、、
いつもの通りマッチメイクで試合をするはずが、予想以上の相手のラフファイトで
(この試合の描写はワタクシ的には限界を超えるエグさでございましたな)
w3.jpg ふらふらになりながらも勝利するランディ。
(※上の写真、ミッキー・ロークです。。。。念の為。)

しかし、歳をとっても現役で有り続ける為に長年服用していたステロイドの影響で
試合後、控室で心臓発作を起こして病院に運ばれてしまう。。。

気付けばベッドの上。 
意識を失っているうちにバイパス手術を施されていたのだった。
そして、適度な運動はいいがプロレスのような激しい運動は二度とやってはいけないと
医者に告げられる。

プロモータに手術した事実を告げられぬまま
馴染みの中年ストリッパー、キャシディ(マリサ・トメイ)に相談すると、
まずは身内に連絡するのが先よ、と言われてしまう。

身内は、長い間別れて暮らす娘ステファニー、唯一人。
久しぶりに訪ねた娘は予想した通りランディを拒絶する。
自分が必要としていたときにお父さんは何もしてくれなかったのに
今更私にどうしてほしいというのか、、、と怒りを露にするステファニー。

そんなステファニーと何とか話し合いたいと思ったランディは再びキャシディに相談し、
キャシディの見立てで選んだ洋服をプレゼントし、今までのことを侘びると
ステファニーも少しずつ心を開いていくのだった。。。

キャシディとも客としてではなく異性として少しずつ話し合えるようになり、、、
今後はプロレス人生から足を洗って普通の生活をするのがいいのかもしれない、、と
スーパーでの仕事を増やして少しずつ人生が軌道に乗りつつあった。

が、、、ちょっとしたことがきっかけでランディの歯車が狂い始めていく。。。。

キャシディに自分の気持ちを告白すると「客にはそういう感情を抱けない」と言われ、
スーパーではプロレスラーであることを客に茶化されたのが癇に障り
店で暴れて仕事をクビになってしまう。。。
更に、自棄になって酒を浴びるように飲んだ末に見知らぬ女と関係を持ち、
それが原因でステファニーと約束していた食事をすっぽかし
「お父さんとは二度と会わない」と言われてしまう。。。

自分には、もうプロレスしか残っていない。。。

ランディはプロモータに電話し、
20年前のアヤットラーと戦った伝説の試合の再試合を了承し、
再びリングに立つ決心をする。。。。。



(;O;)(;O;)(;O;)(;O;)(;O;)


冒頭でミッキー・ロークの姿がスクリーンに映ったところから最後まで、
ずっとウルウルし、最後の試合のシーンでは思わずポロポロと泣いてしまいました。

周りでも、涙を拭うオジサン多数。。 

隣のオネエサンは「グゥゥ・・・」と声を漏らして泣いていました。

映画についてはテレビなどでも紹介されていましたが、
中年男の悲哀に、演じたミッキー・ロークの半生を重ね合わせて見ると
それが何倍にも増幅する上に、更に、見ている中年客も自分に重ね合わせてグッと来る、、、
そんな映画でした。

プロレスのシーンはかなり過激なのですが(流血系は苦手なのでちょっと参りました)、
それを自ら演じたミッキー・ロークの役者魂にも感嘆し。。。。
w5.jpg 今年で57歳なんですぜ
w2.jpg ホンモノのレスラーと見紛うばかりです

ミッキー・ロークというと、

ランブルフィッシュ [VHS]

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  • 出版社/メーカー: CICビクター・ビデオ
  • メディア: VHS

マット・ディロンのアンちゃん役で見たのが最初で、

9 1/2 Weeks [VHS] [Import]

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  • 出版社/メーカー: MGM (Video & DVD)
  • メディア: VHS

「9 1/2」でセクシー俳優だと思っていた私。

w9.jpg こうだもんね。

それが、伝説の猫パンチ(1992年の両国国技館)で失笑して以来、
出演作品も見ず特に興味もなかったのですが、
ボクシングで顔面が凄いことになった上に整形したとかで、

w4.jpg 今、こうだもんね
(左にいるのがアヤットラーという敵役プロレスラー)

年齢と共にうまく演じていける俳優もいれば、
ミッキー・ロークのようにうまくいかずに転落していく人もいたりするのですが、
その自分の人生と重ねあわせるように演じた今作は、
ミッキー・ロークだからこそ、の味わいがあったと思います。

製作側は、ニコラス・ケイジを配役しようとしたらしいんですけどね。(ーー;)
ニコラス・ケイジだったら絶対観ないし、観たところでウソクサイじゃん、と思ったはず。。

また、華やかなリングで戦う表の面と、人気レスラーが転落していく事実など、
ダークで残酷な裏の面も描かれています。

結末も描かれぬまま映画は終わっていますが、
夢見てハッピー、、、という終わり方には思えなかったし
(鑑賞後に晴れ晴れとした気分には決してなれません)
悲惨といえば悲惨だし、、、、救いがないといえばないのですが、
それでも惹きつけられるものがあったのは年齢的なものがあるかもしれません。

ちょうど映画を観る数日前、三沢光晴さんが亡くなったニュースを聞き
そんなことがあっていいものなんだろうか、、と思いながら映画を観たのですが、
プロレスを生業として命の危険を覚悟しながらも誇りを持ってリングに立つ、、
生前の三沢さんの緑タイツで戦う姿が何となく脳裏にチラチラしながらの鑑賞となりました。

R15指定で(ストリップのシーンもちょいちょい出てくるから?)流血シーンなどもあるので
誰にでもお勧めできるわけではありませんが、
キャシディ役のマリサ・トメイも熱演していたし(年代が同じなので感情移入してしまい。。。)
ちょっと疲れた中年には心に響くのでは?と思えた「レスラー」でありました。。


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コメント 14

Krause

ミッキー・ローク、57歳にして鍛えていますね。
by Krause (2009-06-25 06:46) 

little_snow

レスラー、気になっていたんですけど、よかったですか!
ミッキー・ローク、イヤー・オブ・ザ・ドラゴンでしたっけ?
ジョン・ローンと共演したりして、当時はかなり話題でしたよね。
そういえばジョン・ローンもどうしてるんだろう?
観に行こうかなぁ~


by little_snow (2009-06-25 08:31) 

snorita

ナインハーフのときは、お、ちょっとせくしい?とか思ってたんですけど、いまや汚い中年になりさがり....でも、みんな、そうなんだよね。きれいなまま年を重ねる人なんて、一人もいないですよね。若いときは若いだけで、きれいなんだもん。
中年のおじさまたちには、心にささるんだろうなあ。
この映画のあと、どこに飲みにいくんだろ?
by snorita (2009-06-25 12:10) 

ベアトラック

テーマ曲は、ミッキー・ロークの古くからの親友である、ブルース・スプリングスティーンの書き下ろしでしたよね。
見たいんですが、まだ見ていないんですよ。ハンカチ持参ですね。
by ベアトラック (2009-06-25 12:44) 

cocoa051

ミッキー・ロークが復活ですか。
観てみたいですね。
by cocoa051 (2009-06-25 15:41) 

うつぼ

Krauseさん、こんばんは。
ミッキー・ロークはボクシングをやっていましたし、映画撮影前に3ヶ月
トレーニングしてこの肉体を作ったようですね。
そのまんまアメリカのプロレスラーでビックリしました。。。
by うつぼ (2009-06-25 20:39) 

うつぼ

little_snowさん、こんばんは。
私は気に入った映画なのですが、描写がえぐかったりする場面もあって
積極的には勧めづらいものの、一度は見ていただきたいかな。。。(^^)
>ジョン・ローンもどうしてるんだろう?
ラストエンペラーしか見たことないのですが今は何してるのでしょう??
by うつぼ (2009-06-25 20:42) 

うつぼ

snorita姐さん、こんばんは。
ナインハーフ、、、ちょとエロクてドキッとしましたが今はちょっとね。(^_^.)
デヴィッド・ボウイ様も途中までよかったのに「プレステージ」という映画に
出てきた姿が岡田真澄にそっくりでショックでした。。
>この映画のあと、どこに飲みにいくんだろ?
私は酒抜きで真面目に帰宅しましたが、バーでウィスキーなんていいかも。

by うつぼ (2009-06-25 20:44) 

うつぼ

ベアトラックさん、こんばんは。
ブルース・スプリングスティーン、、、ノーギャラで歌書いたそうですね。
エンドクレジットで流れる「WRSTLER」という曲ですがぐっと来ました。。
万人に勧められるわけではありませんが、ベアトラックさんなら見てググッと
くると思います。ゼヒご覧くださいませませ。(^^)
by うつぼ (2009-06-25 20:47) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
この作品をきっかけに味わい深い脇役としてでも色々な作品に出てほしいな
と思いました。 
血まみれシーンも多いのですが、cocoa051さんも渋いオジサンだと
思われますので(^^)ゼヒゼヒ。
by うつぼ (2009-06-25 20:49) 

bluebird

田舎では上映しないんですよ・・・^^;
カンヌ(でしたっけ?)で賞を獲ったときから、気になっておりました。
ミッキー・ロークが大~好きだった時代もありますし(笑)
ココまで変貌すれば、別の人だと思って楽しめそうです。
DVD出たら、観よう・・
by bluebird (2009-06-29 08:55) 

マヌカン☆

私にとっては初ミッキー・ローク映画だったのですが、入り込んで見てしまいました。
「自分の居場所」を悟ったあとのキャシディの決心。
それを突き放すランディ。
それでも試合中に彼女の立っていたドアの辺りに目をやるランディ・・・彼女はいない
・・・・こういうタイミングのずれって、自分の人生の中にもあったなぁ なんて思ったりもしましたよ(笑)
いい映画でした。
by マヌカン☆ (2009-06-29 22:12) 

うつぼ

bluebird姐さん、おはようございます。。
田舎、、確かに客が入らなそうな映画ですもんね。(^_^.)
賞をとったのってヴェネチア映画祭じゃなかったんでしたっけ。
DVDが出たらご主人と一緒に観てね~。(^^)
by うつぼ (2009-06-30 06:46) 

うつぼ

マヌカン☆さん、おはようございます。
ご覧になったんですね。(^^)
噛みあわない歯車みたいで見ていてもどかしさも感じたのですが
人生って意外とこういうものなのかな、、、なんて私も思いました。。。
by うつぼ (2009-06-30 06:47) 

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