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寿輔の「ラーメン屋」 [落語・お笑い]

自宅マンションで契約しているインターネットの接続会社が変わってしまい、
その手続きやらでバタバタカリカリしていたらちょっと時間が空いてしまいました。。。。(イイワケ)



ネタ的には古いのですが(出張記をずるずる書いておりましたので)
年が明けてから初めて寿輔師匠に御目文字した話でございます。。。



お会いしたのは、お江戸日本橋亭の「ラジオデイズ オリンパスシンクる寄席」。
(行ったのは3月24日)



  [黒ハート][黒ハート][黒ハート][黒ハート][黒ハート] ご無沙汰しております。

年が明け、寄席が空いた頃に行こうかな、と思っていたら早3月。
今年初めての御目文字が寿輔師匠と弟子の錦之輔さんとの2人会なんて「贅沢」です。

開演30分前にお江戸日本橋亭に到着。
木戸銭2000円也を支払って中に入るとまだ数割程度の入り。
折角なので左ブロック最前列に陣取り「これでイジラレたら嬉しいなぁ[揺れるハート]」と一安心。
因みに、、いつものように最前列ど真ん中には永年の寿輔ファン「ミウラ」さんが座っていました。

18:45開演。

開口一番は前座の柳亭市朗で「うそつき弥次郎」。
久しぶりに隠居のところにやってきた弥次郎が
「武者修行に出掛けて、山中で出会った山賊やイノシシ、ライオンを退治した」とウソをつく噺。
以前一度だけ聞いたことがある前座さんですが滑舌が今ひとつなのが気になりまして。。
今後に期待、、ということで。


 続いて錦之輔さんが登場。

来月から真打昇進&大看板「古今亭今輔」襲名、とダブルで御目出度い錦之輔さん、
噺は創作落語で「飽食の城」

まくらの部分で、前座時代の4年間について(懲役時代とかいっていた)の話。
寄席の一番最初に登場するので観客はいつも5人未満、1人なんて時もありました、
前座から二つ目になっても39800円の洗濯機を分割で買おうとしたら審査が通らなかったり、
なんて話の次には、昔行ったラーメン屋「中華十八番」の話。
メニューが「ラーメ」「タ」と、「ン」が「」になっているとか、なんて話をした後に
本題の「飽食の城」に。。

話の舞台は戦国時代の天正10年。

羽柴秀吉に城を包囲され兵糧攻めに合う、とあるお城、。
このままだど落城してしまう、、、と心配した殿様他一同で城全体をお菓子で作りなおしてしまう。
柱はカロリーメイト、床はフカフカのカステラ、壁はグリコのキャラメル、
ビスケットに、クッキー、せんべい、食べっこどうぶつ、スニッカーズ、小枝にぺロティ
かっぱえびせんにとんがりコーン、チョコボールにm&m。。。。
城中がお菓子で出来た、正に「お菓子の城」は、お腹が空いたら城を構成するお菓子を食べて、、、
を繰り返し兵糧攻めに耐えること1年。。

いつまで経っても落城しない相手軍をおかしいと感じた羽柴秀吉だったが、
突然城が燃え出したのを観て驚く。火がついたかと思ったらたったの5分で城は全焼。。。
敵はみな餓死寸前かと思いきやどいつもコイツもデブと糖尿病ばっかりで。。。。。

という話。

錦之輔さんは年齢が近いせいか、こういうネタは完全にツボにはまるというか、
テンポよく飛び出すお菓子の名前にウヒャウヒャ笑う私でありました。。。


そして、「しゃぼん玉とんだ」の出囃子と共に、
 ご無沙汰の師匠が登場。 今回は熱帯魚色のお召し物。

昨年の独演会でも話していた弟子の錦之輔さんの襲名についてひとくさり。。 
錦之輔君が今度真打に昇進させていただくことになった上に六代目古今亭今輔を襲名、、と
二重の御目出度い運びとなったのですが、彼の落語はあんなもんでしょ。(場内爆笑)
古今亭今輔は大名跡だというのに、弟子が真打になるのと同時に襲名するというんですから。
襲名が決まって米丸師匠に報告にいったら「よかったね、寿輔さん」って、
アタシが襲名すると思われちゃったんです。。。。

ブツブツ言いながらも弟子の慶事が本当は嬉しそうな寿輔師匠。

ひとしきり錦之輔さんをいじってからネタに入ろうとして「ミウラ」さんを観ながら、
「今日は何を話そうかなと考えてるんですけど、
 ミウラさんは講演会とかにも来てくれてアタシのネタ知ってるから。
 知らないのは裸踊りくらいで。」と少々迷っていらっしゃるご様子。

そして話し始めたのが最近よく聞く「釣りの酒」。

金がなくてずっと酒が飲めない男が近所の中村先生の家に行って
中村先生の好きな釣りの話をしてお酒を飲ませてもらうものの
釣りなどしたことのない男と中村先生の会話がかみ合わず。。。
そして、かみ合わないまま川に釣りに行くと、、、という話。

「ところで、さおは何本お持ちで?」 と中村先生が男に聞くと、
「え、、、、普通1本じゃないんですか?」 と男が答える下りで又もや爆笑する私。

ああ、下品でゴメンナサイ。

酒を美味しそうに呑む男を演じる寿輔師匠の姿に大笑いでございました。


仲入り後は、
 再び錦之輔さんから
クイズが好きな錦之輔さん、7年前に「パネルアタック25」に出場し準優勝したそうで、
(テレビ局の勧めで黒紋付を着たものの名前は水口ナオキの本名で紹介されてトホホだったとか)
でも、どうしても一度は優勝したくて先日予選に行って通過したので本選に出られるんですよ、と
本気で嬉しそうにおっしゃってました。
ただ、来月から真打ち披露の興業が長期間続くので、収録が重なったらどうしよう、と真顔で心配。

噺は「影武者」。

学校をサボってばかりいるバカ高校生の大村サトシ。
このままでは出席日数が足りなくて卒業できないと、影武者をつかうことを思いつく。
噂に聴く「デリカゲ(=デリバリー影武者、笑)」の人気№1影武者のサクザエモンに依頼すると
ちょん髷姿のサムライ、戦国時代の影武者が現れてしまう。。
そんな姿じゃダメだというサトシに「今の姿はニュートラルな状態、ちゃんとお前に似せるから」と
サクザエモンは問題ないといいうばかりだったが、翌日から学校に行ったサクザエモンは、
風林火山の幟を持って教室に現れクラス中を唖然とさせる。。。
そのくせ「拙者は大村サトシでござる」と言い張り。。。。  という噺。

錦之輔さんの創作落語は同じ目線で楽しめるというか、
一つのあらすじに小ネタを重ねて繋げて笑わせて、、という感じでこれまた大爆笑。。

古典をやらない噺家さん、というイメージで心配でしたが、
これなら真打になっても頑張っていただけそうです。
とはいえ、いずれ古典もやってほしいのですが。。

と大いに笑ったところで、再び登場の  師匠。

「私はさっきと同じ着物なのに錦之輔君は着替えてたりして、弟子の方が金持ってるんですよ、
 彼はついてるんですよね、あのくらいで大名跡継ぐんですから」と再びチクリ。

「私がこんな派手な羽織を着るようになって四半世紀ですがね、昔は違ってたんですよ。
 RCサクセションのようなメークをして高座に上がってたんですよねえ」と師匠。

むふっっ。。。

思わずワタクシの口から笑い声が漏れておりました。

と、師匠、私に視線を飛ばして、

「むふっ、じゃないですよ、奥さん(=私のこと)、本当にそうだったんだから。
 このミウラさんは観た事ある証人なんだから。(頷くミウラさん)。
 あなた、この寄席の中で一番懐疑的だから説明しますけどね、
 派手な化粧して高座に上がって“愛し合ってるか~い”って言ってたんだから。
 ある日、新宿末廣亭で70~80代のオバアサンにこうやって話しかけたら
 “1ヶ月前にジイサン死んだんだよ”と速攻で切り返されて何も言えなくなって
 袖に下がったら残された座布団だけで笑いを取った。
 そんな噺家、末廣亭でもアタシだけなんだよね。」

私の目をジッと見つめて語る師匠。。。 これこそ私が期待していた「イジリ」。。。
今日はここに座って良かった、これだけでも木戸銭払った甲斐があったというもの。。。

と、心中大コーフンの私。

「今日これからする話は面白くないから帰るなら今だよ」とまたも目を観ながら話し始めたのは
柳家金吾楼が有坂勉の名前で創作した「ラーメン屋」。
                                                                                                      子供のいない老夫婦が営む屋台のラーメン屋の閉店時間に現れた青年、                                                     ウマイウマイとラーメンを3杯食べたと思ったら
「俺を無銭飲食で交番につきだしてくれ、俺は身寄りのない一文無しの男だ、
 ブタ箱に入れられてた方が食事にありつけるから、さあ突き出してくれ」と言い出した。
それを聞いて驚く老夫婦だったが、取敢えず店じまいするがラーメン屋台が重いので、
青年に家まで持って帰るのを手伝ってもらうことにする。
自宅に到着して家に上がって下さい、と青年を自宅に上げる老夫婦。
一緒に晩酌してほしいと青年に酒を注ぎ、更には
「子供のいないわたしたちをおとっつぁん、おっかさんと呼んでおくれ」と金を払って頼むのだった。                                                           老夫婦が何度も頼む内に青年の気持ちにも変化が生じて、
とうとう「自分をせがれと呼んで下さい」と老夫婦に頼んで、涙涙涙、、、の噺。 

何年か前に一度だけ聴いたことのある噺ですが、今回もジーンときました。
おとっつぁん、おっかさんと呼ばれて感極まる老夫婦の表情を演じる寿輔師匠が良いのです。 

さっきまで私を「懐疑的」とイジッテいた師匠が噺に入ると変身するのがもうツボに入りまくりで。
以前も思ったのですが、落語で笑うだけでなくホンワカジーンとくることもあるのね、と思った
木戸銭2000円ではなんだか申し訳ないくらい十二分に楽しんだ二人会でありました。


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堀越ヨッシー

「ラーメン屋」はオイラも生で聞いてみたい噺ですねえ。でもオイラも泣いちゃうかも...です(^皿^)。それにしても“イジ”られて良かったですね!(笑)。師匠の噺を二つも聞けて2000円はかなりのお得感ですね。良かったですね、奥さん!(^皿^)>。
by 堀越ヨッシー (2008-04-22 07:13) 

うたに

師匠のイジリを期待してくる方も、結構多そうですね~。あと、寄席は笑わせるだけではなく、時には涙を誘う噺もあるんですね。
パネルアタック25は、かなりのつわもの達が出場しますよね。予選を通過するだけでも大したものだと思います。
by うたに (2008-04-22 12:21) 

ta-bo

わー、こんなイベントがあったんですか!
行きたかったなあ。。
錦之輔さんの襲名、そろそろですね。
by ta-bo (2008-04-23 11:04) 

うつぼ

ヨッシーさん、こんばんは。
ラーメン屋を高座にかける噺家さん、寿輔師匠しか知らないのですが、本当にグッと来る話です。。今回はイジラレて本当にハッピーでございました。
これで顔を覚えてもらって、、、と密かに狙っております。(^^)
by うつぼ (2008-04-23 19:16) 

うつぼ

うたにさん、こんばんは。
寄席は観客との掛け合いがあるので面白いですし、笑うだけでなくジンとくる人情噺もあるのでつい足を運んでしまいますね。
アタック25、、そんなに大変なんですね。錦之輔さんは知識豊富な方で創作落語も笑えましたし、真打になってからも応援したい噺家さんです。
by うつぼ (2008-04-23 19:21) 

うつぼ

ta-boさん、1人で行ってしまいゴメンナサイっす。m(__)m
前日東京かわら版で気づいて慌てて申し込んだのでございます。。。
こういう2人会はなかなか企画してもらえないので非常に楽しめましたよ。
ミウラさんは真っ赤なジャケットで非常に可愛らしく、少しでもああいう存在になりたい、と本気で思いました。。。

by うつぼ (2008-04-23 19:22) 

michael

連ドラ「ちりとてちん」を見ていて落語が好きになりました。師匠と言わせてください。ラーメン屋の話良いですね。釣竿はたくさん持っていますが、本物は一本です・・・
by michael (2008-04-24 16:44) 

うつぼ

本物一本所有(笑)のmichaelさん、こんばんは。
ドラマは見ておりませんでしたが、ちりとてちん、というと、江戸の落語では「酢豆腐」ですね。 上方落語は全然聞いたことがないのですが、最近友人が枝雀にはまっているようなので今度CDを借りてみようと思います。
michaelさんにも一度寿輔師匠を生で観てその特異なお姿と語り口に凍り付いてほしいのですが、寄席でしか会えない方なので。。
よろしかったら浅草か新宿へどうぞ。(^^)
by うつぼ (2008-04-24 23:44) 

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