「カンバセーションズ」を観る [映画(か行)]
レンタルDVDで「カンバセーションズ」を観る。
2005年 ハンス・カノーサ監督作品
原題は“Conversations With Other Women” 。
「グッドガール」に続き、大人におススメの映画。
舞台はNY、結婚式のパーティが行われているホテル。
花嫁の付添い人(bridesmaid)を急遽頼まれたものの
花嫁とは長く疎遠だったこともあり気が乗らないまま
渋々引き受けてロンドンからやってきた女(ヘレナ・ボナム・カーター)、
場違いな空気を醸し出しながら隅でタバコを吸っていると男(アーロン・エッカート)が現れた。
互いのことを話す2人。
まるで初対面のように振舞っていたが実は2人は20年前に結婚していた元夫婦。
別れてからの2人はというと、
男は、弁護士としてNYで活躍し、
現在はブロードウェイの舞台に立つ15歳下のダンサーと同棲中。
女は、イギリスに渡って心臓外科医と再婚し娘3人(夫の連れ子)と5人で暮らす日々。
結婚式の最後のダンスで久しぶりに踊る2人。
女は明日の朝、ロンドンに帰るという。
それを聞いた男は、女と共に一晩を過ごしたいと思って部屋まで一緒に行くが。。。
最近、こういう映画がグッとくる年齢になったんでしょうか(笑)
字面にすれば↑としか書けないのですが、
「自分だったらどうするかしら」なんてことを考えながら2人の行方を観てしまいました。
基本的には2人の会話劇というか、出演者はこの2人のみ。
(ちょろっとセリフつきで出てくる女性が1人だけいますが)
2人が最初は初対面を装って話しているのが、徐々に過去に訳アリ、とうかがえる内容になり、、
ずっと2人の会話で映画が進んでいくので舞台を観ているような気分。
また、デュアルフレーム方式という画面が2分割されたまま映画が進むのですが、
同じ場面を違う角度から映したり、過去の2人の場面を重ねたり、
最初はどちらの画面を観たら良いのやら、、でしたが観慣れるとこれが非常に効果的で、
「ああ、こういうのって大人の駆け引なんだろうなあ・・・」なんて思いながら観終わりました。
そもそも、この作品を借りたのは、
猿を演じたり、
凄まじい顔をしてハリーの名付け親(シリウス)を殺してしまう魔女だったり
と特殊メイク系の演じっぷりしか観た事のないヘレナ・ボナム・カーターが、
「普通の人間」を演じるとどうなるのか、非常に興味があったのでて借りてみましたが、
この役柄はかなり共感しました。
中年になった彼女は体型がちょっと崩れかけているというか若い女性の体型ではなく(スミマセン)
(そういう姿は画面でみていて親近感が湧くというものです・・・)
お腹がたるんできた男と、それでも昔を思い出しながら一夜を過ごしていく、、
そんな2人の画面に、私のツボは押されまくり。。。
もし、高美容整形率のハリウッド女優が演じていたら、皺が無い顔や抜群のスタイルを観て
「ウソツケ!これで時間が経って中年になった、なんて全然見えないじゃん!」と
途中で観るのを止めていたかもしれません。(笑)
イギリス人女優の好きなところは、自然に年をとってそれをうまく演じているところで、
その点、ヘレナ・ボナム・カーターの姿や演技にはすんなり入っていくことができました。
ただ、一点だけ気になったことがありました。
パッケージには10年前に結婚していた元夫婦、、と書いてあった記憶なのですが、
現在の2人が38歳なのに、画面半分に映し出される昔の2人があまりに若いので
若い頃の2人(違う俳優さん達が演じてます)
今の2人 大分違いますよね。
アメリカの映画のホームページを観たら20年前との記述があって納得しましたが、
何で10年前になっちゃったのか、、、ちょっと疑問が残りました。。
とはいえ、大勢に影響はないのですが。。
昔の2人に戻って一夜を過ごした2人ですが、
男は「もしかしたら彼女をやりなおせるかも」と淡い期待を抱く一方、
女は現実の生活を選んで家族の待つロンドンに帰っていきます。
彼女も若干後ろ髪を引かれているかもしれませんが、
若い時であれば、勢いでいける部分もあるのでしょうが、
今の自分の生活があるとやっぱり打算で考えてしまうんだろうな、などと、
感情だけで流されなくなってしまうのは時の流れによるものでしょうし、
こういう結末を見ると女は現実的だなあ、と妙に納得したりして。(笑)
私自身も現実的な女なので、この結末を観て、
やり直したい気持ちがあったとしても一緒にならないことがお互いの幸せだろうな、と思いました。
若い方が観ると理解しがたい部分もあって後味が良くないかもしれないですし、
大人の男性が観ても「そんなもんかなあ」と納得できない部分が多いかもしれませんが、
もし2人がやり直そうと今の生活を捨てる結末だったら、「それじゃドロドロの昼メロになっちゃうよ」と
私は画面に向かって突っ込みを入れていたことでしょう。。
という訳で、大人の女性はきっと共感できるのでは、と思った「カンバセーションズ」でありました。
大人の女性向けシネマ第二弾ですね。
興味あります。次回のTSUTAYA半額デーで借りてみます。
感情移入しやすく、どよーんと重い映画やTVを観た後はしばらくテンションが低くなり、翌日仕事に出かけるのがさらに嫌になってしまうという非常に弱い自分は、最近はコメディとかラブコメ(「"Pepper Dennis"とか)、あとはこの年になって米国の学園モノとか見てスカッとしてます。さらに脱線してしまいますが、以前、大ブレイクした"Legally Blonde"の主人公役のReese Witherspoonが米国女優ギャラNo.1らしいですね。彼女そんなに凄いのか、とビックリです。
ところで、うつぼさんのブログペットの猫ちゃんの名前、「ハンセン」となっていて以前からなぜだろう?と思っていたのですが、うつぼさんの好きな男性のスタン・ハンセンからとったのですか?
by (2007-12-02 20:16)
bonheurさん、こんばんは!
私はホラーが苦手ですね。アクションもさほど、、、という感じでひたすら楽しい泣くか身近に感じられるか、、という感じで最近作品を選んでいます。
リース・ウィザースプーンがギャラ№1というのはビックリですが、私は観たことないんです。。。ま、アメリカ人と価値観違いますからね。。。
ところで、ハンセンは仰る通りスタン・ハンセンからとりました。本人は口ひげはやした熊みたいですが、ブログペットはネコ、随分違いますね。(笑)
by うつぼ (2007-12-03 19:23)