SSブログ

「フィガロの結婚」を観る② [音楽・コンサート]

しつこく続きます、「フィガロの結婚」。

←「今年はやっぱりモーツァルト!」 だそうです

もう一度自分の頭を整理する為に、主な登場人物。

フィガロ” 
 セビリアの理髪師だったがアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナのなかを取り持ち
 伯爵の家で働くことになった。もうすぐスザンナと結婚式を挙げるのが楽しみ。

スザンナ
 伯爵夫人付きの小間使い。フィガロと結婚するのが楽しみ。

アルマヴィーヴァ伯爵
 フィガロのお陰でロジーナと結婚したが根っからの浮気性で、
 スザンナにちょっかいを出し、結婚式当日の
初夜権を奪おうとしている。
 
ロジーナ(アルマヴィーヴァ伯爵夫人)”
 自分より他の女のことばかり気にかける伯爵の浮気に悩んでいる。

ケルビーノ
 伯爵の屋敷で働く小姓(少年)。思春期なのでどんな女性にも恋してしまう。
 (実際はソプラノかメゾソプラノの女性が演じる)

ドン・バルトロ
 医師。ロジーナと結婚したかったがフィガロのせいで伯爵に奪われてしまい恨んでいる。

マルチェリーナ
 女中頭の中年女性。
 フィガロに金を貸した時の証書に「借金を返せない場合は結婚する」と
 書かせたことを利用してフィガロと結婚しようと企んでいる。

ドン・バジーリオ
 音楽教師。伯爵の手下として伯爵の情事を取り持つ。



という訳で第二幕は、伯爵夫人ロジーナの部屋から。
伯爵の浮気癖と自分への愛がすっかり薄れたことを嘆くロジーナのもとに
スザンナとケルビーノがやってきて、
ロジーナを悲しませる伯爵の行状を暴く為、伯爵をスザンナの名前でおびき出し、
約束の場所でケルビーノ(女装)と会わせ現場をつかんで証拠をつきつけようと提案する。
ケルビーノが歌う「恋とはどんなものかしら」が素晴らしいと思いつつ、
(ロジーナがあんなに綺麗なのにナゼ伯爵はあのスザンナに惚れるのか、
 絶対アリエナイ!スザンナよりロジーナの方が若くて綺麗じゃん、と思う私)

スザンナが部屋の外に出たところで入れ違いにやってきた伯爵。
慌ててケルビーノを隣の部屋に隠すが、落ち着きのないロジーナの姿に
伯爵は妻が何か隠しているのではと疑う。
更に、隣でケルビーノが物音を立てたのを聞き、あの音はなんだと問い詰める伯爵。
スザンナが結婚衣装に着替えている、と答えるロジーナを疑う伯爵は、
ではその姿を見せろ、と更に問い詰める。
拒むロジーナに、力ずくでも開けてやる、と道具を取りに伯爵がロジーナと出ていくと
入れ替わりに部屋に戻ってきたスザンナはケルビーノを窓から逃がし、
隣の部屋に入って、戻ってきた伯爵が扉をこじ開ける前に自ら出てきて、
ロジーナの言っていることが間違っていないことを示すと伯爵は非礼を詫びる。
(このやりとりがまるで落語のようで江戸時代の設定で想像してみて心中大笑い)

ほっとしたのも束の間、今度はバルトロとマルチェリーナが登場し、
「借金を返せない場合はマルチェリーナと結婚する」と書かれた証文を盾に
フィガロを訴えると言い出した。
(こんな証文が世の中まかり通ったら一夫多妻、多夫一妻なんてあり得るかも)

それを聞いた伯爵は渡りに船、と結婚式の前に裁判を行なうと宣言する。

ここで第二幕終了、20分の休憩です。

既に1時間半通しで観ていたとは思えぬほどあっという間ですが、
後半もまだまだ続きます。

第三幕は、
マルチェリーナがフィガロを訴えたことを心配しながら、
ロジーナと共に伯爵を罠にかけることにしたスザンナは、
結婚式の夜、2人で会いましょう、と伯爵に約束する。
伯爵は(ちょっと単細胞なのか)スザンナの誘いを心から喜んで去っていく。
代わりにやってきたフィガロはお白州、ではなく裁判に。
伯爵の言いなり状態の裁判官はマルチェリーナの訴えを認める判決を下す。
借金を返すか、さもなくば私と結婚するか、と問い詰めるマルチェリーナに
「私は貴族の出なので親の了解がないと結婚できない」とフィガロが言い出した。
フィガロが嘘をついたと思った伯爵は証拠を見せろと問い詰めると、
「自分は幼い頃さらわれたが、云々かんぬん・・・腕に印もあるし」と答えるフィガロ。
それを聞いたマルチェリーナは慌てる。
フィガロは、盗賊にさらわれた後探しても見つからなかった
マルチェリーナとバルトロの間に生まれた息子だったのだ。。 
ああ感動の一家。感極まり父、母、息子で歌いまくり。。。

えぇ、そんな展開なのですか。
今回のフィガロ、白髪多いのに、結構若く見えるマルチェリーナの息子なの?
そんなー、このキャスティングおかしーよ。この2人、親子なんかに見えないよーっ。

そんな気持ちが頭の中をかけめぐりましたが、「まあまあ、これ、舞台なんだからさ」
という自分の中の良心が自分を説得していました。。。。

そんなスゴイ理由で、親子じゃ結婚できないから、と判決が覆り、
喜ぶフィガロと悔しがる伯爵。
そこにやってきたスザンナも事情を知り、嫌っていたはずのマルチェリーナと抱擁する。

その頃、伯爵夫人ロジーナが、結婚した頃はあんなに幸せだったのに
今はどうして、、と部屋で嘆いているとスザンナがやってきて
マルチェリーナとフィガロが親子だったことを報告する。
あとは、伯爵を懲らしめるだけ、とスザンナが伯爵宛の誘いの手紙を書く。

問題もなくなったのでフィガロは広間で結婚式の準備を行い、
お祝いに集まった村娘の中に、女装したケルビーノが混じっていてひと悶着あるものの、
庭師の娘の機転で伯爵の怒りをかわし、事なきを得た後は、
フィガロとスザンナ、そして、
(さっきまでフィガロと結婚しようとしていたのに)マルチェリーナとバリトロ、
2組の結婚式が始まった。

スザンナに花嫁の冠をのせる伯爵にスザンナは(トラップの)手紙をそっと渡す。
初夜権を使わずともスザンナ自らが誘ってきたと喜ぶ伯爵、、
盛り上がる結婚式。。。。 ここで第三幕終了。

結婚してめでたし、とならないところが面白いんでしょうね、と思いつつ、


ラストスパート、第四幕は、結婚式直後の夜から。
スザンナが伯爵に手紙を渡していたことを知ったフィガロ、
手紙がトラップだと気づいていないので、スザンナに裏切られたと思い憤慨し、
スザンナの浮気現場を押さえようと隠れて待つことに。
(この後、スザンナと伯爵夫人ロジーナは互いの服を交換して出てきます)

庭師の娘を探しにやってきたケルビーノが(ロジーナ扮する)スザンナに話しかけるが
スザンナの隣に誰かいるのを察知した伯爵、邪魔者を平手打ちすると
うまくかわしたケルビーノの代わりにフィガロの頬が打たれてしまい、
フィガロも逃げてしまう。

2人きりになった伯爵とスザンナ(本当は伯爵夫人ロジーナ)、
伯爵は自分の妻とも知らず隣の女性を口説き始め屋敷に連れていく。
2人が去ったのを見て伯爵夫人(本当はスザンナ)に話しかけるフィガロ。
と、声を聞いて目の前の女性はスザンナだということに気づくが、
気づかぬふりをして口説き始める。
妻以外の女性を口説くフィガロに怒りをぶつけるスザンナに、
分かっていたよ、とスザンナを抱きしめるフィガロであった。 
(狸の化かし合いじゃないのですがややこしいです)

そして、口説いていた相手が自分の妻だと気づき、心から謝る伯爵。
ロジーナが許すと出演者一同が登場して伯爵夫妻を祝福しながら歌い、「幕」。



休憩時間を入れると3時間半の長丁場ですが、あっという間に観終わった感アリ。

話自体は、封建貴族に仕える家臣フィガロ、という設定なので、
当時の貴族批判なども描かれているのですが、封建ではない現代では、
前記事でも書いたように突っ込みどころ満載な感じで非常に面白く、
それもこれも、
 カブ似の伯爵のお陰、などと思ったのですが、

そんな失礼なことを思う以上に、
マイクを使わずホール中に響き渡る各出演者の歌はどれも素晴らしくて
「やっぱり生で聴くのは良いなあ」と改めて実感しました。

格調高い旋律と歌と対照的に筋書きが面白いのが初心者には有難いというか、
こういう切り口で観るのも楽しいものだなあ、オペラって、と思いながら
有意義に3時間半堪能できた「フィガロの結婚」でありました。


タグ:オペラ
nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 3

コメント 4

おはようございます。オペラもこうしてうつぼさんの記事で読むと、観てみたいと思ってしまいます。むかし、オペラ協会に属していたオペラ歌手が私のお店でアルバイトしてたんです。何度か観にいきましたが、ちょっと難しくてだんだんと疎遠になりました。いまはうつぼさんの記事につられて行ってみたい気がします。
by (2006-12-13 06:54) 

noric

オペラも良いですね。
by noric (2006-12-13 18:45) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
私も敷居が高いと思って近づかなかったのですが、今回観て筋書きが面白く楽しいものだと思いました。(勿論非常に筋書きが真面目なものもあるでしょうが)
今回のお値段で見られる公演、少ないかもしれませんが、また機会があれば観てみたいと思っています。
by うつぼ (2006-12-14 00:36) 

うつぼ

noricさん、こんばんは。
3時間半があっという間に思えるほど楽しい公演で、食わず嫌いもいけないな、と今回つくづく思った次第です。
by うつぼ (2006-12-14 00:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0