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本年の寿輔師匠見納め [落語・お笑い]

寿輔師匠の本年見納めに浅草演芸ホールの12月上席夜の部 へ。
寿輔師匠、今年も一年楽しませていただきました。

今年は念願だった「寿輔ひとり会」に参加したりと、
一年間なかなか楽しい定点観測が出来ました。

浅草演芸ホールに18時半頃到着すると中は8割くらいの入り。
昨今の落語ブームで寄席も混んでるなあとは思うのですが、
客層はやはりシルバーでもう少し若い人にも観に来てほしいな、と思ったりして。 

最初に観たのは、
三笑亭夢太朗「紙入れ」の途中から
世話になっている旦那の女房に誘われて間男に行った新吉が、
突然旦那が帰って来たので慌てて逃げ出し、 
女房から貰った恋文の入った紙入れを忘れて慌てる噺。
新吉の間抜けな表情に笑いました。

つづいて、
ウクレレ漫談の「ぴろき」
出てくるだけで演芸場内爆笑の空気。
更に自虐的な漫談をウクレレのノンビリした旋律に乗せて繰り広げると爆笑の渦。
初めて観た時より観客の認知度が上がっているようで今後が期待されます。

三遊亭遊三の「子ほめ」
灘の酒を「タダ」の酒と勘違いして隠居を尋ねると
 「人に酒を奢らせるには、世辞と愛嬌が必要だ」 と言われた八五郎、
お世辞の言い方を教わって同じ長屋に住む竹の家へ赤ん坊を褒めに行くが
世辞がチグハグになって辻褄が合わなくなってしまう噺。 
八五郎が赤ん坊と昼寝中の爺さんを間違えて褒めようとする場面が笑えます。

続いて、三遊亭とん馬の「持参金」。初めて聴く噺です。
 トンマじゃなくて「トン」と読むそうです。
10円の借金を返せと突然催促された辰、返すあてもなく困っているところに、
10円の持参金付の縁談の話がころがりこむ。
借金返済で頭がいっぱいの辰は、相手が不器量で8ヶ月の身重と聞いても気にせず、
嫁にもらうことにしたが、やってきた「おなべ」さんが本当に不器量で。。。という噺。
結構笑いの起きる噺なんですが、
おなべさんの描かれ方が女性としては何だか嫌な感じで素直に笑えず。
女だって人間なのになあ、なんて思ったりして、少々後味の悪い噺でした。

新山真理は定番の独身中年女の自虐ネタ漫談。
何だか自分のことを言われているんじゃないかと身につまされた気分。(笑)

桂伸治は「初天神」
初天神のお参りに行こうとした熊五郎、息子の金坊に一緒に連れていってとせがまれる。
一緒に連れて行くとあれこれ買わされると思った熊五郎は、
金坊に何も買わない約束でしぶしぶ連れて行くが。。。。。
寄席でよく聴く噺ですがみたらし団子のたれをなめる仕草に大笑い。
三笑亭夢丸の「権助魚」
勤めている店の奥方に旦那の浮気を調べてくるようにと1円を渡された権助、
旦那について出かけると、旦那が権助をまいて浮気相手のところへ行こうとして、
「お前に2円やるから、御茶屋で遊んだ後、船に乗って網で魚を獲った、
と帰り道の魚屋で網取り魚を買って女房に説明しなさい」と言われて帰される。
途中の魚屋で「網取り魚をください」と言って買った魚が、
助惣鱈、にしん、茹でタコ、目刺し、かまぼこ。
旦那の言う通り網取り魚を買ったから奥方を軽く騙せるだろう、と帰宅すると
「隅田川でこんな魚が獲れる訳ないでしょ!」と奥方に怒られてしまい。。。という噺。
以前雷蔵さんの噺で聴いたときも結構笑ったのですが、
丁寧な夢丸さんの話しぶりにまたまた(笑)。

続く江戸家まねき猫は
以前に比べるとかなり上達していました
雄鶏と雌鳥の鳴き方の違いを演じた後に、
「カッパの鳴き声を聴いた犬と猫が怖がって逃げる」という場面を演じ、
場内感心しつつ大拍手。(カッパはヒーヨヒーヨと鳴くらしい)
目の付け所も面白く、こういう演じ方で今後も頑張ってほしいと思うのでありました。

そして、まってました、寿輔師匠。
 今回のお召し物は黄色。
最近すっかり柔軟になっていた客いじりがたっぷり嫌な具合に復活。
「突然、熱帯魚みたいなのが出てきて、皆様さぞやお力落としのことと思います」
「それにしても、師走で忙しいのに、よく寄席に来たね」
「寄席はたっぷり4時間やってるから、
 中にはお客さんをがっかりさせる噺家が江戸時代から出ることが決まってます。
 だからアタシの時間は、(着物を指差しながら)ま、目の保養ってことで。」
「あたし達噺家はお客さんが寄席に来てくれるからご飯が食べられる、
 といったってこのくらいじゃ食えるのはうどんくらいだけど。
 うどんは炭水化物ですぐ消化しちゃうから、大きな声は出せない」
「そこの3列目の奥さん、表で笑っているけど心の中でアタシを軽蔑してる」

機嫌が悪いのか路線を戻したのか、ネチネチと客いじりする姿が
久しぶりで何だか清清しく思えてしまうのはナゼだろう。。。。。

噺は「英会話」。

これからは英語の時代だ、と急に思い立った夫婦が
家の中で英語以外は使わないで話すことにしたが、それが滅茶苦茶、という噺。

「男はマン、運動するのはスポーツマン、強いのはウルトラマン、
 調味料ならキッコーマン、野菜はピーマン」
「カモーン、ゴールデンステッキ!(金ぼう、おいで)」
「カレーライスコントラスト(福神漬け)」
「パンパンパレード(花魁道中)」
「クートヘーデルポテト(石焼芋)」
「ミスティングウォーター(寝しょんべん)」
「I was born in シルバーシート(銀座)」 などなど。

パンパンパレードやストリッパーのくだりで
最前列に座る小学生の男の子が何故か爆笑しているのを見た師匠、
「何でボクがこのネタで笑うんだよ」と子供にまで突っ込みを入れながら
実は結構嬉しそうな姿を見て「さすがに子供には優しい」と思うのでありました。

寿輔師匠の余韻が残る中登場したのは、
北見マキのマジック
びりびりに破った新聞が元通りになるのはナゼ?
白い紙を畳んでから広げるとナゼ1000円札に変身しているの?
相変らずナゼナゼの嵐の内に終了。


そして、夜の部主任は三遊亭金遊。
  噺は「大工調べ」の途中まででした。

明日から仕事だと棟梁に言われた与太だったが、
大家が滞納した店賃の代わりに道具箱を持っていったから仕事できないという。
滞納したのは一両二分八百、棟梁は一両二分を与太に持たせ
八百足りないという与太に「八百くらい御の字だ、あたぼうだ」と棟梁が答える。
大家にお金を返しに行く与太、八百足りないといわれると、棟梁が答えた通りに
言ってしまい、大家を怒らせる。
残金八百文を持ってこなければ道具箱を返さないと大家に言われた与太は
棟梁にそのまま報告すると、今度は棟梁が大家のところに行き、
道具箱を返してほしいというのだが、大家も譲らず口論になってしまう。
このままでは結論が出ないので、奉行所に訴えることに。。。。

本当は、この後お裁きを受ける場面まで続くそうですが、今回はここまでで終了。

金遊さんの一見やる気のなさそうな話しぶりに一瞬睡魔に襲われてしまったのですが、
途中からの大家と棟梁の掛け合いの場面はなかなか面白く、
最後まで聴いてみたい噺でした。

というわけで、寿輔師匠の客いじりを見つつ、今回も初めて聴く噺があったりと
まだまだ修行は続く、、、と思う師走の寄席でありました。


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おとといの昼前、上野の鈴本の前を通ったら行列ができていました。思わず、そのまま行列に並ぼうかと思いましたが、連れがいたのでやめましたが、今度はそのまま入ることにいたします。
by (2006-12-17 15:07) 

うつぼ

cocoa051さん、こんにちは。
鈴本は落語協会会員しか出ないので足を運んだことがないのですが(私は落語芸術協会の噺家さんを中心に見ています)、行列が出来ていたりすると入ろうかどうか考えますよね。浅草や末広亭だと立ち見でもなんでもドンドン中に人を入れるので、とりあえず何とか観ることはできます。
でもお正月は昼夜の部が入れ替え制で本当に超満員になるそうなので、次回寄席に行くのは1月下旬以降になりそうです。。。。
by うつぼ (2006-12-17 17:37) 

ta-bo

お久しぶりです。私は結局9月のひとり会以降、寿輔師匠を見てません。
(ひとり会のチラシは未だ部屋に貼ってあります..w)
来年はもうちょっと足を運びたいと思っています。

英会話ネタは聞いたことないなあ。早く聞いてみたいものです!
by ta-bo (2006-12-18 22:35) 

うつぼ

ta-boさん、こんばんは。ホント、お久しぶりです。
私はその後10月に浅草に行ったのですがタイミングを逸して記事に出来ず。(笑)
因みにその時聞いたのは代書屋でしたが、客いじりは今ひとつソフトでした。
今回は最前列の小学生にかなり気遣ってましたが英会話は初めて聞きました。あまりにくだらないネタのオンパレードにぐふふふ笑ってしまいました。
ところで、ta-boさんはひとり会のチラシお持ちなんですね。私は東京かわら版で観たきりでチラシの存在は知りませんでした。羨ましいです。。。。
私は一番初めに聞いた寿輔師匠のネタが「老人天国」でしたので、あれ以上のインパクト強いブラックネタを聞いたことがなく、期待しているのですが、あれっきりで残念です。お正月は寄席も大混雑が予想されるので、次回は2月初旬の浅草になりそうです。次回はオレンジか青の衣装が見たいものです。。。
by うつぼ (2006-12-19 00:05) 

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